TAMRON LENS BLOG

飛行機そのものにレンズを向ければ、望遠レンズが欲しくなるのがわかるだろう。それも400mmを超える超望遠レンズに。
先代の150-600mm(Model A011)から進化したこのA022は、AF応答速度、手ブレ補正のVC機構、操作性、そして描写力など、全般に渡る性能向上が謳われている。
A011から続く携行の良さは屋外での望遠撮影に大きく寄与し、何より手軽にそのレンズを付けたカメラを持ち出そうとするフットワークの軽さを手に入れられることが、最大の魅力だ。それに輪をかけて性能向上となれば、写真を撮ろうと外へ出ようとする気持ちは俄然高まる。
また今回のモデルチェンジとともに新しくテレコンバーターがラインナップに加わり、さらに望遠効果を求める場合に威力を発揮できることとなった。

天候、陽の状況、そして風の向き。飛行機の写真を撮る上で、常に影響を受ける環境に対して臨機応変に行動するには、自身はもちろん、撮影機材などを取り回し良くできるかが重要になる。
時にA022を付けたカメラ一台で飛行場の周りを歩いて一周、または飛行場から遥か離れて遠景に見える飛行機を狙うことも念頭に入れた機材選びが鍵となるのだ。
今回はこのA022を付けたフルサイズカメラ、APS-Cカメラ、1.4×テレコンバーター、2×テレコンバーターと4通りの写真を選んでみた。

このブログでは、その撮影状況を簡単に記するが詳細は2月23日、24日、CP+のタムロンブースにてお伝えする予定です!

では、皆さんのご来場を心よりお待ちしています!

 

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春の便りを待つ羽田空港に、大陸からの長旅を終えようとする777型機が滑り込んでいく。

◎SP 150-600mm(A022)+APS-Cサイズカメラ、換算825mm相当
絞り:F/11 シャッタースピード:1/1250秒  ISO100

 

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乾いた北風の吹く1月上旬。日の出を背景に羽田空港を駆け上がる767型機を約6Km離れて眺望する。

◎SP 150-600mm(A022)+2倍テレコンバーター+APS-Cサイズカメラ、換算1800mm相当
絞り:F/22 シャッタースピード:1/1250秒 ISO100

 

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夏雲の湧出る9月初旬。東京湾へ向け羽田空港を駆け上がる777型機を展望エリアから見上げた。

◎SP 150-600mm(A022)+フルサイズカメラ、375mm相当
絞り:F/10 シャッタースピード:1/400秒  ISO100

 

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西より風が吹いた1月中旬。積雲溜まる東京湾を横断しファイナルアプローチへ入った737型機。

◎SP 150-600mm(A022)+APS-Cサイズカメラ、換算900mm相当
絞り:F/7.1 シャッタースピード:1/1000秒  ISO100

 

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羽田空港22滑走路へ進入中の777型機。運河の水面に反射する太陽光が機体下面に映し出された。

◎SP 150-600mm(A022)+フルサイズカメラ、600mm相当
絞り:F/9  シャッタースピード:1/1000秒  ISO100

 

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首都圏上空30000フィートを西へ。旅の途中、大陸間を横断する飛行機が頭上を越えていった。

◎SP 150-600mm(A022)+2倍テレコンバーター+APS-Cサイズカメラ、換算1800mm相当
絞り:F/13 シャッタースピード:1/80秒  ISO400

 

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日の入り20分前。羽田空港へ着陸進入する777型機。約20Km離れた対岸からレンズを向けた。

◎SP 150-600mm(A022)+2倍テレコンバーター+APS-Cサイズカメラ、換算1800mm相当
絞り:F/18 シャッタースピード:1/320秒  ISO100

 

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福岡空港34滑走路へ737型機のベースターン。雪雲の隙間からまもなく沈む陽を背に受けた。

◎SP 150-600mm(A022)+2倍テレコンバーター+APS-Cサイズカメラ、換算1800mm相当
絞り:F/13 シャッタースピード:1/500秒  ISO100

 

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寒風吹きすさむ夜の8時ごろ。大阪空港32L滑走路へ進入する787型機を千里川土手で待ち受けた。

◎SP 150-600mm(A022)+フルサイズカメラ、150mm相当
絞り:F/5 シャッタースピード:1/40 秒 ISO25600

 

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福岡空港16滑走路から駆け上がる777型機。前哨灯がみぞれ交じりの冬雨を照らした。

◎SP 150-600mm(A022)+APS-Cサイズカメラ、換算900mm相当
絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/50秒  ISO4000

 

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十五夜の月が輝く冬夜。羽田空港から離陸上昇する787型機が通過する。

◎SP 150-600mm(A022)+2倍テレコンバーター+APS-Cサイズカメラ、換算1800mm相当
絞り:F/13 シャッタースピード:1/640秒  ISO2000

 

inoue井上六郎(いのうえ ろくろう)

1971年東京生まれ。スタジオマン、個人写真家アシスタントを経て、出版社の社員カメラマンとして自転車、モーターサイクルシーンなどを撮影する。その後は出版社を退社しフリーランスに。
以後、国内外の自転車、モーターサイクルメーカーやスポーツアパレルメーカーの広告や各一般雑誌、専門誌等で撮影活動中。
また、国内外のマラソンなどスポーツイベントの公式記録カメラマンを務める。
自転車レース、ツール・ド・フランスの写真集「マイヨ・ジョーヌ」を講談社から、
航空機・ボーイング747型機の写真集「747 ジャンボジェット 最後の日々」を文林堂から上梓。
日本写真家協会、日本スポーツプレス協会、国際スポーツプレス協会会員。

 

井上六郎さんご使用のレンズについて詳しくは、
SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2(Model A022)製品ページ:
http://www.tamron.jp/product/lenses/a022.html

 

井上六郎さんがご登場の、CP+2017タムロンステージスケジュールはこちら
タムロンCP+2017特設サイト:
http://www.tamron.co.jp/special/cpplus2017/

本日、タムロンは新製品2機種の発売を発表しました。

 

■SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2(Model A025)
大幅な進化を遂げた最新の大口径望遠ズームレンズ誕生
光学設計を一新、望遠撮影の可能性を拡げるAF速度向上と手ブレ補正5段を実現

35mm判フルサイズデジタル一眼レフカメラ対応の大口径望遠ズームレンズの新製品、 SP 70-200mm G2 を新発売。
光学・機構・電子設計を見直すことで光学性能の向上のみならず、AFスピード、精度の向上、手ブレ補正機構の強化や最短撮影距離の短縮を実現。
また、eBANDコート・防汚コート、防塵防滴構造の採用、テレコンバーターへの対応など、大口径望遠ズームレンズに必要な全ての性能を大幅に進化させています。
新しいSPデザインを施すことで、操作性や外観デザインも向上しています。

発売日:2017年2月23日(ニコン用、キヤノン用)
写真: SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2(Model A025)

 

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くわしくは...
ニュース:http://www.tamron.co.jp/news/release_2017/0207_2.html
製品ページ:http://www.tamron.jp/product/lenses/a025.html

 

■10-24mm F/3.5-4.5 DiⅡ VC HLD (Model B023)
手ブレ補正機構「VC」を搭載しながら小型化を実現
クラス最大の焦点レンジを持つ超広角ズームレンズを発売

デジタル一眼レフカメラ(APS-Cサイズ相当)専用の超広角ズームレンズの新製品、
10-24mm を新発売。
35mm判換算で超広角16mmから準広角37mm相当までの幅広い広角域をカバーし、人間の視野を遥かに超える雄大な風景から何気ない日常の光景まで、様々なジャンルの撮影に適しています。光学性能の抜本的な見直しをはじめ、基本性能の向上を図り、ズーム全域で高い描写性能を実現しています。手ブレ補正機構「VC」、新モーター「HLD(High/Low torque modulated Drive)」、簡易防滴構造、防汚コートなど、タムロンが培ってきた最新技術を惜しみなく搭載しながらもコンパクトサイズを実現。
外観にはSPシリーズの新ラインナップの流れを組むデザインを新たに採用し、撮影時の操作性、機能性を追求した1本です。

発売日:2017年3月2日(ニコン用)
2017年3月23日(キヤノン用)
写真: 10-24mm F/3.5-4.5 DiⅡ VC HLD (Model B023)

 

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くわしくは...

ニュース:http://www.tamron.co.jp/news/release_2017/0207.html
製品ページ:http://www.tamron.jp/product/lenses/b023.html

ここ数年の間、伯母が家元を務める「松香庵流(しょうこうあんりゅう)」という
煎茶道の流派の撮影をさせてもらっている。

この日は年始の恒例行事、初煎会。
お抹茶で言うところの「初釡」にあたるのだろう。煎茶道の稽古初めである。
会が行われるのは足利時代に建てられた古民家を利用した料理屋ということもあって、
非常に貴重な機会だ。

幼い頃から何度も来たことのある場所だが、写真を撮る側へ回ってみると見方が変わってくるものだ。
回り廊下があるため、外光自体は四方から入る設計にはなってはいるが、
現代の家屋に比べると圧倒的に暗い。
また、梁や柱、障子や畳などの直線的な構成物が多いことから、
歪みの強く出るレンズは向かないため、毎年レンズ選びには悩むところである。

今回は歪みの出にくい画角、さらに手ブレ補正が搭載された
SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD を 使用することにした。
今までは広角~長くても75mm相当のレンズを使用してきたため、
90mmという画角は非常に新鮮であった。
ぐっと被写体に迫りつつも、ボケは非常になだらかでとにかく上品な印象。
和の雰囲気に見事にマッチした描写だ。
大口径でありながら軽めなレンズ重量も、女性には嬉しい点。
日常使いしたくなる、上質なマクロレンズである。

 

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ほのかなぬくもりがうれしい囲炉裏。釡から立ち上がる湯気を優しく描写している。

◎焦点距離:90mm 絞り:F/3.2 シャッタースピード:1/40秒 ISO:3200

 

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古いガラスの向こうにはお正月らしい紅白の梅。

◎焦点距離:90mm 絞り:F/4.5 シャッタースピード:1/80秒 ISO:160

 

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開放でもピント部分はきりっとシャープな描写。手ブレ補正に助けられた場面は多かった。

◎焦点距離:90mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/40秒 ISO:3200

 

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床の間に飾られた、生け花の薔薇にフォーカス。マクロレンズならではの花びらの表情である。

◎焦点距離:90mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/80秒 ISO:1250

 

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茶会で振る舞われる、この時期ならではの花びら餅。
求肥の柔らかな質感と陶器の艶そのままに写し出してくれた。

◎焦点距離:90mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/100秒 ISO:125

 

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茶会中の一枚。暗い場面でも着物の絹の質感と立体感がよく描写されている。

◎焦点距離:90mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/100秒 ISO:640

 

大門 美奈(だいもん・みな)

1977年神奈川県横浜市出身。茅ヶ崎市在住。公募展をきっかけに2011年より写真家として活動をはじめる。第1回キヤノンフォトグラファーズセッションファイナリスト。無印良品、アパレルブランド GARDÉ COLLECTIVE とのコラボレーション企画等にも参加。主な写真展に「Portugal」(2011)、「本日の箱庭展 -the Miniature Garden-」(2013)、「The Collection」(2016)写真集に『Al-Andalus』(2014)がある。

ウェブサイト
http://www.minadaimon.com

 

大門美奈さんご使用のレンズについて詳しくは、
SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD(Model F017)製品ページ:
http://www.tamron.jp/product/lenses/f017.html

冬の終わりになると毎年向かう植物園がある。
植物園といっても、整然と植物が並んでいるような場所ではなく、
山まるごとひとつ植物園にしてしまったような、なかなかワイルドな処だ。
実際、トレッキングシューズ無しで入園するのは無謀というもので、
藪をかき分けつつ進まなければならない獣道も2~3箇所どころではない。

何が目的でここへやって来るのかというと、椿を撮影するため。
ここ数年の間、冬になると必ず椿を撮影しに出かけるのだが、
この植物園は椿の本数こそ多くはないものの多数の品種が揃うため、
比較的長い期間、枝に咲く椿から落椿まで楽しめる。

45mmという画角は秀逸だ。
50mmは基本となる画角とは言われるものの、
実際のところ「あとほんの少し広角であれば」と思うことがよくある。
今回は開放値~少し絞ったくらいの絞りを多くしたが、
大げさ過ぎない柔らかさ、という言葉がしっくりくる描写であった。
個性的なレンズではあるが、写真を見てひと目でそれと分かるほど個性的なクセではなく、
しかし柔らかでデリケートさが特徴の、ごくごく自然な印象のレンズ。

コンパクトなサイズも、フルサイズ化で益々大きくなってゆくデジタル一眼には有難い点。
このレンズ1本でどこか旅へ出かけたくなるレンズである。

 

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枯れ落ちた松葉が垂れ下がり、まるでヤドリギのようになっていた椿。
やわらかな桃色の椿が松葉をやさしく受け止めているようだった。

◎焦点距離:45mm 絞り:F/3.2 シャッタースピード:1/200秒 ISO:100

 

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今にも小動物が出てきそうな獣道。このあと何かが音を立てて駆け抜けていった。

◎焦点距離:45mm 絞り:F/2.5 シャッタースピード:1/400秒 ISO:125

 

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立体感を出すため開放値で撮影。自然な奥行きと目の前にあるような立体感が出せた。

◎焦点距離:45mm 絞り:F/1.8 シャッタースピード:1/1000秒 ISO:125

 

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椿森のなかでひっそりと佇むようにあった落椿。地面からは新芽が次々と顔を出している。
やわらかなボケが森の神秘的な印象を引き立てている。

◎焦点距離:45mm 絞り:F/1.8 シャッタースピード:1/250秒 ISO:125

 

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曇り空の中、早咲きの桜が蕾を開き始めていた。力強く天へと伸びる枝が美しい。

◎焦点距離:45mm 絞り:F/1.8 シャッタースピード:1/4000秒 ISO:125

 

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伝統的な日本家屋をバックに、白く光る桜。春の訪れは毎年嬉しいもの。
今年もまた撮影に向かうのが楽しみである。

◎焦点距離:45mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/640秒 ISO:125

 

大門 美奈(だいもん・みな)

1977年神奈川県横浜市出身。茅ヶ崎市在住。公募展をきっかけに2011年より写真家として活動をはじめる。第1回キヤノンフォトグラファーズセッションファイナリスト。無印良品、アパレルブランド GARDÉ COLLECTIVE とのコラボレーション企画等にも参加。主な写真展に「Portugal」(2011)、「本日の箱庭展 -the Miniature Garden-」(2013)、「The Collection」(2016)写真集に『Al-Andalus』(2014)がある。

ウェブサイト
http://www.minadaimon.com

 

大門美奈さんご使用のレンズについて詳しくは、
SP 45mm F/1.8 Di VC USD(Model F013)製品ページ:
http://www.tamron.jp/product/lenses/f013.html

数年前にアイスランドの冬の幻想風景と水をテーマに、私は4週間かけて島を巡った。
極北の島として知られるアイスランドには広大な氷河と活火山が点在し、
まるで違う惑星に居るのかと錯覚するような荒野が続く。
地球の神秘を色濃く感じられ、
文明が触れることの無かったであろう氷河に守られた豊かな水がそこにはあった。
これまでにニュージーランドやアラスカで幾度も氷河は見ていたが、
この島の氷河には心の奥に語りかけてくるような何か特別な輝きを感じていた。

そんな私はその「特別な何か」を探るため、今冬再びアイスランドを訪れた。
2週間の滞在を氷河に充てる事を決めていた為、
島最大の氷河であるヴァトナヨークル周辺でじっくりと自然と向き合うためにキャンプ生活を選んだ。
前旅はアイスランドの自然の営みと外景を撮って島を一周したのに対し、
今回は先述の、輝きの奥にある精神性に迫ろうと、私はタムロン90mmマクロを選んだ。
朝11時頃にようやく昇る太陽は正午を回っても低いまま
午後2時を回る頃には地平線の向こうに沈んでゆく。
海の孤島であることや木々がほとんど生えていない大地の為1日中強風が吹き荒れることも珍しく無く、
滞在期間中は雨が続いた。
そんな環境での撮影はそれなりにハードな為、
防塵防滴を備えた機材は撮影を続ける中で大きな安心に繋がる。

私にとってこの90mmマクロは「フォーカスする」という言葉が実に似合うレンズだ。
気軽に散歩するレンズというよりは明確なテーマを想像し、その被写体に迫るのが面白い。
中望遠の単焦点は撮影者が最も動いて撮るレンズの一つ。
逆を言うならテーマと向き合う為に体と意識を被写体へと導いてくれるのだ。
単焦点のシャープな描写は自分が意図する被写体を明快に浮かび上がらせてくれ、
被写界深度が浅くなるマクロ撮影でも
じっくりと絞りこむことで(最小絞りはF/32)それまでとは違った表情が表れる。

マクロ撮影は通常三脚が必須となり撮影にやや手間のかかるイメージを持つ人も多いと思うが
精度の増したVC(手ブレ補正機能)とデジタル時代の恩恵に与り、
時には感度を上げて極北の低く薄暗い太陽の下で三脚無しで自由なアングルで撮影に臨んだ。
またこのレンズの高い解像力は風景撮影にもその高いポテンシャルを発揮する。
旅の中でふと巡り合う美しい光の風景をも確実に捉えた。
そして何より私はこのレンズの深みのある蒼の発色が好きだ。
氷河の深淵に迫る今回の旅に相応しく、
持ち帰った作品は時間が経つにつれ味わいを増していくかのように、
私の大切な1枚へと変わっていくのだ。

 

Photo_1

◎焦点距離 90mm、マニュアルモード、絞り F/4.5、シャッタースピード 1/800秒、ISO 500

 

Photo_2

◎焦点距離 90mm、マニュアルモード、絞り F/8、シャッタースピード 0.8秒、ISO 400

 

Photo_3

◎焦点距離 90mm、マニュアルモード、絞り F/8、シャッタースピード 1/320秒、ISO 4000

 

Photo_4

◎焦点距離 90mm、マニュアルモード、絞り F/3.5、シャッタースピード 1/400秒、ISO 4000

 

Photo_5

◎焦点距離 90mm、マニュアルモード、絞り F/29、シャッタースピード 20秒、ISO 400

 

Photo_6

◎焦点距離 90mm、マニュアルモード、絞り F/2.8、シャッタースピード 1/320秒、ISO 1250

 

プロフ写真遠藤 励(えんどう つとむ)

長野県大町市出身。スノーボードカルチャーに精通し雪山での撮影に特化。
90年代より世界各地の雪山を訪れ、多くの作品を発表しながらボードカルチャーの前線で活動。また、活動当初から写真に対する姿勢を「inner focus」(内面の焦点)と定め、アートフォトグラフィーやネイチャー、カルチャーなど躍動するこの星の輝きと命との調和も求めて旅を重ねている。作品集に「inner focus」(2015 小学館)がある。
オフィシャルHP: http://www.tsutomuendo.com

 

遠藤 励さんご使用のレンズについて詳しくは、
SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD(Model F017)製品ページ:
http://www.tamron.jp/product/lenses/f017.html