TAMRON LENS BLOG

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―ご注意―(必ずお読みください)

M31

秋の夜空に大きく見えている渦巻銀河、アンドロメダ座大星雲M31です。
月の5倍ほどの大きさがあるので、写真に写すと見事な姿を楽しめます。
高解像度のフルサイズデジタル一眼レフを使用して、鮮明な画像が撮れました。四隅まで星像も良好です。

◎2014/9/21(福島県いわき市):M31
焦点距離:600mm 絞り:F/6.3 Nikon D800E シャッタースピード:120秒 ISO感度:3200 30コマ、ダーク10コマ

 

今回は、撮影と画像処理のポイントについてご説明します。
まず露出については、カメラのノイズ特性を考慮しつつISO800~3200くらいで、
空の状況と対象天体の明るさなどにより、数十秒から十数分という時間をかけて撮影します。
フィルム時代は1枚に数十分から数時間かけるのが普通でしたが、デジタル時代の今は感度をあげられることと、
画像処理で多数のコマを重ねて処理することが一般的になっているため、比較的短時間の撮影を行っています。
それにより風などの影響による追尾不良や、飛行機や人工衛星の写り込みの影響なども軽減することができます。
また撮影はRAWデータで行うことで、撮影画像のクオリティを維持し、後の画像処理結果での画質の劣化を防ぎます。

 

NGC2337 B

オリオン座の左隣にあるいっかくじゅう座のバラ星雲NGC2237-2239、2246です。
この星雲は肉眼では観察が困難ですが、写真では美しい姿を見せてくれます。
散開星団NGC2244と重なっています。

◎2014/1/2 (福島県いわき市)
焦点距離:600mm(35mm判換算:960mm相当) EOS Kiss X5改造機 絞り:F/6.3 シャッタースピード:180秒 ISO感度:3200 14コマ、ダーク10コマ、フラット10コマ、フラットダーク17コマ

 

M42 B

冬を代表する星座、オリオン座で輝く大散光星雲M42とM43です。

◎2014/9/28(福島県いわき市)
焦点距離:600mm(35mm判換算:960mm相当) 絞り:F/6.3 EOS Kiss X5改造機 シャッタースピード:120秒 ISO感度:1600 25コマ、ダーク10コマ、フラット20コマ、フラットダーク20コマ、バイアス20コマ

 

宇宙からの光はごく淡いので、できるだけ暗い場所へと移動して撮影するほうが有利です。
最近はカメラの性能が向上し、特殊な帯域の光だけを通過させるフィルターを併用することで、
東京のような世界有数の光害地でも、明るい天体はそれなりに写せるようになってきました。
画像処理技術の発展も大いに貢献しています。

 

M42-TOKYO

東京のような光害で暗い星がまったく見えないところでも、撮影条件や画像処理の方法を変えることで、
ある程度天体の姿をとらえることができます。オリオン座大星雲M42です。

◎2013/12/29 (東京都江戸川区)
焦点距離:600mm(35mm判換算:960mm相当) 絞り:F/6.3 EOS Kiss X5改造機 シャッタースピード:5秒 ISO感度:3200 80コマ、ダーク10コマ

 

撮影した画像は、そのままではほとんど淡い天体の姿がわかりません。
数コマから数十コマ、場合によってはそれ以上撮影した画像を重ね合わせる(スタックする)ことで、
淡い天体の姿をあぶり出す作業を行います。
このとき撮影した画像とは別に、画像のノイズを減らしたり、口径食の影響を軽減したりするため、
ダーク、フラット、バイアスなどとよばれる画像を用意して、撮影した画像に重ねて処理します。
スタックした画像はレベル調整やトーンカーブ調整からはじまって、レイヤー処理、マスク処理などを行います。
RGB三色分解して色別に画像調整を行いますし、特殊な科学的画像復元処理も併用します。
天体写真は極めて淡い光を扱うのでノイズとの戦いになるため、
高度なノイズ軽減処理を行う専門ソフトウェアの力を借りることも良くあります。
天体画像処理専用のソフトも、海外ではいくつも開発されています。

 

DSC6688

冒頭のM31の写真の元の画像です。
1枚ではこの程度にしか写っていませんが、何枚も重ねることで、淡い部分を描出していきます。

◎2014/9/21(福島県いわき市)
焦点距離:600mm 絞り:F/6.3 Nikon D800E シャッタースピード:120秒 ISO感度:3200

 

LOVEJOY

2013年秋~冬にかけて出現したラブジョイ(Lovejoy)彗星(C 2013/R1)の写真です。これは1枚撮りです。

◎2014/1/3(福島県いわき市)
焦点距離:600mm(35mm判換算:960mm相当) 絞り:F/6.3 EOS Kiss X5改造機 シャッタースピード:120秒 ISO感度:3200

 

LOVEJOY2014Q2

現在夜空で輝いている新しいラブジョイ(Lovejoy)彗星(C 2014/Q2)の写真です。
東京都内でも双眼鏡で観察できます(1/5現在)。これは41コマの画像を彗星の核を基準にしてスタックしています。
この写真が掲載される頃は、大きく姿が変わっているかも知れません。

◎2014/12/23 00:53JST頃から(福島県いわき市)
焦点距離600mm(35mm判換算:960mm相当) 絞り:F/6.3開放 EOS Kiss X5改造機 シャッタースピード:30秒 ISO感度:3200 41コマ、フラット14コマ、フラットダーク10コマ

 

天体写真は一般的な写真撮影とはかなり違う分野ですが、
宇宙の神秘を写真におさめるのは大いにチャレンジしがいがあります。
この連載を通じて、皆さまの天体写真への興味を呼び起こすことができれば大変嬉しく思います。

 

Profile

根本泰人(ねもと・やすひと) クラシックカメラの修理専門店である有限会社ハヤタ・カメララボ取締役。40年以上に渡り、天体観測や写真撮影を続けている。
「メシエ天体ガイド」アスキー出版局(1993)、「メシエ天体アルバム」アストロアーツ(2004)、
「DVDで始める天体観察入門」アストロアーツ(2008)、「ビジュアル星空案内」 アストロアーツ(2011)、
「世界ヴィンテージ・カメラ大全」東京書籍(2012)等、著書多数(いずれも共著)。

 

根本泰人さんご使用のレンズについて詳しくは、
SP 150-600mmスペシャルサイト:http://www.tamron.co.jp/lineup/a011/index.html

昨日、2月22日(日)に行われた東京マラソンで、
タムロンが支援している障害者アスリート2選手が車いすレースに出場し、
土田選手が女子8連覇を達成、男子・洞ノ上(ほきのうえ)選手が初優勝しました。

両名は2016年にリオデジャネイロで開催されるパラリンピックを目指し、
夢の実現に向けて更に挑戦し続けます。

タムロンホームページ・障害者アスリート応援サイトはこちら >>>

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A011は600mmの焦点距離に注目されますが、短焦点側で150mmまでの画角を持っています。
常用される望遠域からさらに超望遠の画角を持っていることで、
幅広い撮影を楽しむことができるレンズに仕上がっています。
実際に撮影してみると、肉眼でものを凝視しているときの感じに似ているので、
遠景を撮影する場合に十分な望遠効果が得られ、思い通りのフレーミングができるのです。
また、単焦点レンズに比べて最短撮影距離が短く、近くの被写体も撮影できます。
そのため、自然のフィールドでは生き物や風景の撮影に活躍してくれます。
今回は、そんな幅広い活用のポイントをご紹介したいと思います。

A011の最大のメリットは、ズームであるということです。
動物を撮影していると、意外と興味を持って近づいてくることもあります。
そのようなときに単焦点レンズでは画面から被写体がはみ出してしまうこともありますが、
ズームなら適切なフレーミングが可能でシャッターチャンスを逃しません。
風景撮影でもカメラポジションが限られているために、ズームが不可欠のことが多いです。
また超望遠域は被写界深度が浅くなり、大きなボケが得られます。
植物園の大きな花壇のような花に近づけないときは、離れたところから十分に花を引き寄せ、
さらに大きなボケによって美しい画面を演出することができます。
風景や花の撮影では、安定した構図を得るために三脚を使うといいでしょう。

 

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スノーモンキーとしても有名な長野県・地獄谷の温泉に入るニホンザル。
数匹のサルが気持ちよさそうにしている雰囲気を200mmで撮影しました。
ここから600mmにズームすれば顔のアップも狙うことも可能で、構図にバリエーションを持たせることもできます。
最近は人気も高く、観光客も多いので、限られた場所から撮影するのにも最適のレンズです。

◎焦点距離:200mm(35mm判換算:320mm相当) 絞り:F/8 シャッタースピード:1/160秒 ISO感度:1600

 

MG_8517

道路の脇に現れたエゾシカの表情を捉えました。
ズームだからこそ一瞬の間に的確なフレーミングが可能で、緊張した耳と口元を捉えることができました。
単焦点レンズでは画面が顔だけになってしまって、特徴ある耳が画面からはみ出してしまったと思います。
手ブレ補正機構「VC」と高感度を活用すれば、手持ち撮影も安心して行えるのもうれしいところです。

◎焦点距離:329mm(35mm判換算:526mm相当) 絞り:F/8 シャッタースピード:1/500秒 ISO感度:2500

 

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小鳥の餌場にやってきたシマリスを少し離れたところからアップで撮影しました。
適度に離れているために、警戒されることなくヒマワリの種を頬いっぱいに溜めた
愛らしい表情を捉えることができました。
これ以上は後ろに下がれない場所でしたが、ズームのおかげで的確なフレーミングができました。

◎焦点距離:500mm(35mm判換算:800mm相当) 絞り:F/7.1 シャッタースピード:1/250秒 ISO感度:1600

 

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野付半島のトドワラに沈んでいく夕陽を撮影しました。
太陽は大きく撮影することがもっとも難しい被写体のひとつですが、
より望遠効果のあるAPS-Cサイズ一眼レフとの組み合わせで適度な大きさにフレーミングできました。
A011は逆光にも強いレンズで、太陽を画面に入れるような撮影でも安心して行えます。

◎焦点距離:600mm(35mm判換算:960mm相当) 絞り:F/16 シャッタースピード:1/200秒 ISO感度:200

 

MG_2483

公園の小鳥を撮影しているときに見つけたバラを撮影しました。
柵の中に植えてあって花には近づけないので、柵ギリギリに立ってズームでフレーミングを整えて撮影しました。
後の花も大きくぼけながら引き寄せられて望遠レンズならではの描写となり、マクロレンズとは違う表現ができました。
単焦点の超望遠レンズと比べ、最短撮影距離が短いのもA011の特徴です。

◎焦点距離:273mm(35mm判換算:436mm相当) 絞り:F/8 シャッタースピード:1/320秒 ISO感度:1600

 

超望遠レンズを使ううえで知っておいて欲しいことがひとつあります。
気温が上がると空気が揺れて遠景はピントが合っていないように見えてしまうのです。

 

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この写真も花畑の向こうにタンチョウがいるのですが、
拡大すると空気が揺れているためにピントが合っていないように見えます。
このようなときはファインダーを除いていても、空気が揺らいでいるのが分かります。
肉眼で陽炎が出ているのが分かるときは、遠景を撮影してもシャープなピントは得られません。
気温の低い朝・夕を狙うか、陽炎のおきにくい曇天などを選ぶようにしましょう。

◎焦点距離:600mm(35mm判換算:960mm相当) 絞り:F/10 シャッタースピード:1/1000秒 ISO感度:1250

 

私はフィールドにでかけるとき、事前に被写体をこれと決めておくことは少ないです。
それは、特定の被写体しか見つけられなくなってしまうからです。
風景を撮影していても突然魅力的な生き物が姿をあらわすことも多く、その逆もあります。
それはほんの一瞬の出会いで二度とないチャンスかもしれません。
そんな瞬間を見逃さないように、いつでも気持ちをいろいろな被写体に向けられるようにしておきたいのです。
野生動物の姿を撮影したくて北海道へ移住しましたが、
生き物の姿ばかりではなくすばらしい景色もたくさん見てきました。
しかし、単焦点の超望遠レンズを使っていたときには、何度もチャンスを逃してしまったことがありました。
でも、このA011が登場したことによって、そのチャンスを捉えられる可能性が広がりました。
私はA011を手に、また二度とない出会いを求めて出かけたいと思います。

 

Profile

小林義明(こばやし・よしあき) 1969年東京生まれ。いのちの景色をテーマに小さな自然から大きな風景まで幅広く撮影。身近な自然の美を捉えることを得意とする。

 

小林 義明さんご使用のレンズについて詳しくは、
SP 150-600mmスペシャルサイト:http://www.tamron.co.jp/lineup/a011/index.html

CP+2015来場プレスの投票による「CP+2015優秀出展社賞」で、タムロンブースが「国際化対応賞」をいただきました。

CP+公式サイトはこちら
http://www.cpplus.jp/popup/news_150216.html

CP+2015タムロンブースへ
ご来場ありがとうございました

昨日2月15日で、CP+2015は終了いたしました。
会期中はたくさんのタムロンファンのお客様にタムロンブースにお越しいただき、誠にありがとうございました。

スタッフ一同、みなさまのご来場に大変感謝いたしております。

また来年、CP+でお会いしましょう!

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CP+公式サイトはこちら >>>

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