木村正博with 14-150mm F/3.5-5.8 Di Ⅲ(Model C001:マイクロフォーサーズ用)
一昨年(2013年)の初夏に軽い胃の痛みを覚え、近くの病院で検査を受けるとまさかの胃癌宣告。紹介された大学病院で精密検査を受けると良くて2/3、悪くすると全摘と言われ秋口早々に手術を受けて1週間足らずで退院。術後経過は極めて良好だったが、帰宅して体力作りのために始めた散歩に一眼レフカメラを持ち出した処に思わぬ落とし穴があった。持って出たのは一番軽いカメラとレンズの組み合わせだったのに、術前67㎏あった体重が55㎏と減ったのと並行して体力も減衰していたのだろう、途中で重さに音をあげて家人に迎えに来てもらう羽目になった。
それでもスズメ百までの心境で軽い一眼レフを探し回り、当時発売されたミラーレスのマイクロフォーサーズ一眼カメラを入手し、それからはこのカメラが常に座右にある。当初はカメラと一緒に入手したズームレンズの焦点距離域で満足していたが、フットワークの悪さを焦点距離で補えないかと考え始めた時に発売されたのがこのレンズで、フルサイズ28-300㎜相当の画角と最短撮影距離0.5mを活かして、プライベートからオフィシャルの撮影まで、幅広い領域で活躍している。
村の鎮守の熊野神社への初詣。境内で燃やされる焚火や、その周りの子供たちの様子が懐かしい。
◎カメラ OM-D・焦点距離17㎜・絞り優先f/9・オート(1/40秒)・ISO320・WB太陽光・RAW・手持ち撮影
数寄屋橋交差点脇で、ローアングル撮影。テーブル三脚を用い、ライブビューファインダーでフレーミングしている。
◎カメラ OM-D・焦点距離16㎜・絞り優先f/10・オート(1/100秒)・ISO100・WB太陽光・RAW・三脚使用
横浜山手の洋館、外交官の家の中に展示されていた日本画家 加藤恵氏の絵を撮影させて頂いたもの。
絹布に描かれた枝垂れ桜が、優しい春を予感させた。
◎カメラ OM-D・焦点距離61㎜・絞り優先f/8・オート(1/100秒)・WB曇天・RAW・手持ち
同じく山手のイギリス館で撮影したもの。窓から入った西日が床に映え、温もりを感じさせる画面になった。
◎カメラ OM-D・焦点距離38㎜・絞り優先f/8・オート(1/60秒・-0.7EV)・ISO1600・WB曇天・RAW・手持ち撮影
横浜元町の工事現場の塀に描かれた影絵のイラスト。
ハマトラ発信地らしいお洒落さに、思わずレンズを向けてしまった。
◎カメラ OM-D・焦点距離54㎜・絞り優先f/8・オート(1/125秒)・ISO1250・WB晴天・RAW・手持ち撮影
新宿御苑楽羽亭側にある枝垂桜。手前の屋根に焦点を合わせ、風が強く吹くのを待って撮影。
◎カメラ OM-D・焦点距離70㎜・絞り優先f/11・オート(1/2秒・+0.3EV)・ISO100・WB曇天・RAW・三脚使用
新宿御苑中の池の畔に咲く枝垂れ桜。
新緑の中に咲くピンクの花と、風が作り出すさざ波で奥行き感のある風景を描写できた。
◎カメラ OM-D・焦点距離50㎜・絞り優先f/11・オート(1/2秒)・ISO100・WB曇天・RAW・三脚使用
小田原山王川河口の、御幸の浜に作られた堰堤上で出会ったカップル。
水平線を眺める二人の姿に清々しさを感じ、思わずシャッターを切った。
◎カメラ OM-D・焦点距離150㎜・絞り優先f/11・オート(1/200秒)・ISO100・WB晴天・RAW・手持ち撮影
市内の川の畔に咲くヒガンバナ。花に近付けるだけ近付き、焦点距離を調整して花を大きく捉えてみた。
◎カメラ OM-D・焦点距離123㎜・絞り優先f/6.3・オート(1/80秒)・ISO1250・WB曇天・RAW・手持ち撮影
散歩コースのコスモス畑で撮影したもの。
花に止まっていたミツバチに焦点を合わせて写しているうちに、タイミングよく飛び立つ姿を写すことが出来た。
◎カメラ OM-D・焦点距離100㎜・絞り優先f/6.3・オート(1/800秒)・ISO800・WB晴天・RAW・手持ち撮影
木村正博(きむら・まさひろ)
1948年神奈川県箱根町生まれ。東京写真専門学校卒業後モノクロラボ、カメラメーカー、写真雑誌勤務を経てフリーとなる。タウンスナップから自然風景、花まで幅広い被写体にレンズを向け、日本カメラQ/Aコーナーで読者の様々な質問に答える。メーカー主催の写真教室講師、新宿御苑フォトコンテスト、全日本福祉写真コンテスト、日本野鳥連盟公募カレンダー等の審査員を務め、著書に『新宿御苑撮影・散策ガイド』がある。公益社団法人日本写真家協会、公益社団法人日本写真協会、日本自然科学写真協会会員。
木村正博さんご使用のレンズについて詳しくは、
14-150mm F/3.5-5.8 DiⅢ (Model C001)スペシャルサイト:http://www.tamron.co.jp/lineup/c001/index.html
SP 15-30mm(Model A012):第1回「30mmから15mmへと慣れていきましょう」
はい。阿部秀之です!
タムロンの15-30㎜を手に取っていただけましたか。
超広角好きの人なら、このレンズの魅力が瞬時に伝わったと思います。
はい、ビビッときたでしょう。やったぜ!ってほどに素晴らしいんです。
でも、超広角ビギナーの人は、あまりにも広い画角に、
どひゃ、なんだコレ? どう使えばいいの? と思ったことでしょう。
大丈夫です。心配はいりません。
15㎜なんて超広角レンズを付けてファインダーをのぞいたら、最初は誰もが驚くのです。
大海に放り出された小舟に乗っているような気持になります。もちろん僕にもその経験があります。
でも、ちょっとコツがわかって慣れてきたら必ず使いこなせるようになりますよ。
さて、超広角ビギナーのみなさん。いま使っている広角の焦点距離は何㎜でしょうか。おそらく28㎜か24㎜ですね。
それなら問題ありません。
15-30㎜のズームですから、すでに普段使って慣れ親しんでいる焦点距離も含まれているわけです。
15㎜からの超広角だと思うと、どうしてももっとも広い15㎜で撮ることばかりに気持ちがいってしまいますが、
最初は馴染みのある焦点距離から使えばいいのです。
そして少しずつさらに広角側に広げていきましょう。
24㎜よりも焦点距離が短くなると1㎜の違いでも写り方に変化があるのがわかるはずです。
24㎜と18㎜はわずか6㎜しか画角はちがいませんが、写せる世界は大きく変わります。
18㎜と15㎜ではますますその差が大きくなります。
超広角の単焦点レンズでは、15㎜、16㎜、17㎜、18㎜、20㎜、21㎜というように
1㎜ごとにほぼすべての焦点距離が存在します。
それだけ1㎜違うと描写が変わることを意味します。
もしも、画角が広くなりすぎて画面が上手くまとまらなくなったら一歩前に出るといいです。
周辺部分がカットされて画面が整理できるはずです。
近寄ると広い画角を活かせないように思うかもしれませんが、心配無用です。
写る範囲は狭くなっても、超広角レンズ特有の遠近感の誇張はちゃんと残っていて広角らしさを表現してくれます。
15㎜からのズームだと、15㎜を使わないと手に入れた意味がないとつい思ってしまいます。
でも、ちょっと待ってください。超広角ビギナーは、いきなり15㎜を使うのは難しいものです。
写真は東京駅。僕の場合は、手前の空間を埋めたかったのでクルマを入れてフレーミングしました。
◎焦点距離:15mm 絞り:f/2.8 シャッタースピード:1/15秒 露出補正:-1 ISO感度:500
それでは、具体的に説明していきましょう。
30㎜で撮影。超広角ビギナーはいきなり15㎜を使おうとせずに、馴染みのある焦点距離から撮っていこう。
まずは30㎜。28㎜を使っている人なら平気でしょう。
◎焦点距離:30mm 絞り:f/5.6 シャッタースピード:1/100秒 露出補正:+1 ISO感度:100
つづいて24㎜。30㎜に比べるとグッと広角らしくなってきました。でも、24㎜を普段使っている人も多いですね。
普段使っているレンズが28㎜までなら、まずは24㎜に慣れていきましょう。
◎焦点距離:24mm 絞り:f/5.6 シャッタースピード:1/50秒 露出補正:+0.7 ISO感度:100
24㎜を使いこなせるようになったら、思い切って20㎜へチャレンジです。その先には18㎜が待っています。
超広角の入口は20㎜。18㎜になって本格的な超広角だと僕は思っています。
画面の隅々まで見渡して、余計なものが入らないように注意しましょう。
◎焦点距離:18mm 絞り:f/5.6 シャッタースピード:1/40秒 露出補正:+0.3 ISO感度:100
さて、ついに15㎜です。20㎜、18㎜を使いこなせたなら少しの慣れで撮れるようになったと思います。
15㎜なのに意外にスッキリ写っていて、超広角くさくないと思いませんか。その秘密は次回でお話ししましょう。
◎焦点距離:15mm 絞り:f/5.6 シャッタースピード:1/40秒 露出補正:+0.3 ISO感度:100
阿部秀之(あべ・ひでゆき)
東京生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。タムロン宣伝課を経て、86年よりフリー。ヨーロッパの風景、コマーシャルなど、幅広いジャンルを撮影。フリーになると同時にカメラ専門誌にも執筆をはじめる。
カメラグランプリ選考委員を87年より歴任。
阿部秀之氏が解説するレンズ、SP 15-30mm F/2.8 Di VC USDの製品スペシャルサイト
http://www.tamron.co.jp/lineup/a012/index.html
第4回「玉ボケ、光芒を生かして撮る(最終回)」(Model : F004)
駆け出しの頃の私は、花を撮るなら「開放!」でOK!と言っていましたが、
2012年11月に発売されたタムロンSP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F004)を手に入れてから考えが変わりました。
玉ボケが背景に出ない時はF2.8開放で撮影して、朝露や水面を背景にして「玉ボケ」を生かす場合は、
1段絞って撮影した方が玉ボケが丸くなり、
開放で撮影すると画面四隅の玉ボケが「口径食」の影響でレモン型になる現象も緩和できます。
あと、このレンズの面白い点は、F16に絞り込んで滴を撮影すると太陽の煌きが、
まるでクロスフィルターを使ったかのような、美しい光芒を楽しめます。
絞り込んで撮影するとシャッタースピードが遅くなりブレる可能性が高くなりますが、
手ブレ補正付の新型マクロなら、しっかりとカメラを構えれば、1/8秒くらいでも手持ち撮影可能です。
普通、朝露を撮影する場合は開放気味で狙い玉ボケを生かして撮影しますが、
新型90mmF2.8マクロを使っていたので、F16まで絞り込んで撮影して美しい光芒を生かしました。
この光芒をファインダー内で確認する方法を伝授します。
プレビューボタン(被写界深度確認ボタン)を押すと光芒が見えますので、押しながらフレーミングを決めます。
◎フルサイズカメラ、SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD(Model F004)
絞り優先AE F16 シャッタースピー1/60秒 ISO400 WB太陽光
直射光でフジを写すと微妙な色合いが出ないので、日陰の部分を狙いました。
開放だと玉ボケは出ませんが、1段絞ってF4で撮影することで柔らかな玉ボケが背景に出ました。
新型90mmF2.8マクロは、F4で撮ることが殆どです。
◎フルサイズカメラ、SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD(Model F004)
絞り優先AE F4 シャッタースピー1/500秒 ISO100 +2EV補正 WB太陽光
夏の森の代表的な花、レンゲショウマ。
背景の木々の葉をぼかして撮影しても面白くないので、木漏れ日が入る背景を探して、
花にピントを合わせることで玉ボケを出して、意図的に花と重ねて花を際立たせてみました。
構図的には花1輪ではバランスが悪いので、右側にツボミを入れ、左右で対比させてバランスをとりました。
◎フルサイズカメラ、SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD(Model F004)
絞り優先AE F4 シャッタースピー1/125秒 ISO100 +1EV補正 WB太陽光
朝露の写真を撮りたいなら、晴天の風の無い早朝の野原に出掛けてみましょう。
きっと朝露をまとってキラキラと輝く朝露に出会えると思います。
新型90mmF2.8マクロでの撮影なので、F4に絞り美しい玉ボケを表現しました。
朝露を撮影する時は、一番朝露がキラキラ輝くアングルを探して撮ることが大切で、
ピントは滴の輪郭か滴の中に映り込んだ風景に合わせる方法があります。
◎フルサイズカメラ、SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD(Model F004)
絞り優先AE F4 シャッタースピー1/400秒 ISO100 WB太陽光
林を背景にチューリップを狙い、木漏れ日を玉ボケで撮影しょうと被写体発見時は考えていましたが、
ファインダーを覗くと「絞って光芒を生かそう!」とひらめいて、
F16に絞り込んで木々の間から時々見える太陽を光芒にして撮影しました。
◎フルサイズカメラ、SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD(Model F004)
絞り優先AE F16 シャッタースピー1/40秒 ISO400 +1EV補正 WB太陽光
石井 孝親(いしい・よしちか)
1967年9月、横浜生まれ。東京写真専門学校卒業後、写真館勤務。2000年4月から自然写真家として活動開始。現在、身近な足元の自然をテーマに、写真展、写真雑誌、カレンダー等で幅広く活躍中!
写真集に「光と彩の季節・日本カメラ社」、技術書に「光を生かす花撮影術・日本カメラ社」など。自ら主宰する「フォトクラブ光と彩」で横浜、東京にてアマチュア写真家の指導にも力を入れている。
公式HP・石井孝親のネイチャーフォト http://www2.ttcn.ne.jp/~naturephoto/
石井孝親さんご使用のレンズについて詳しくは、
SP 90mm (Model F004)スペシャルサイト:http://www.tamron.co.jp/lineup/f004/index.html
第3回「ボケを生かして印象的に仕上げる」(Model : F004/ 272E)
花の写真をより魅力的に仕上げる為には、ピントの合った部分の前後にできる
アウトフォーカスのボケの部分を最大限に生かすことが大切です。
タムロンの全てのマクロレンズはボケ味が美しいので、私のメインマクロレンズとなっています。
特に90mm F2.8マクロが好きで、初代モデルから最新モデルまで全てを使ってきました。
ボケを生かすには、基本的には絞り値を開放気味にセットすることです。
基本は花にピントを合わせ背景をぼかす「後ボケ」で、
ローアングルから狙うと背景が遠くなり花の背景を美しくぼかすことが可能です。
難しいのが「前ボケ」で、花の手前に花や葉がレンズの前に被るようなカメラアングルで撮影すると
前ボケを生かすことが可能で、レンズフードを外して撮影することもお忘れなく!
「前ボケ」を生かすと、まるでソフトフィルターを使ったかのようなファンタジックなボケになりますので、
露出補正は、プラス気味に明るく仕上げるのがコツです!
アングルファインダーを使い、虫の目線でツクシを撮影しました。
ツクシの前にある朝露に付いた草をぼかして「前ボケ」を作ったので、リズミカルな美しい玉ボケが出ました。
◎フルサイズカメラ、SP AF90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 (Model 272E)
絞り優先AE F2.8 シャッタースピード1/640秒 ISO100 +0.7EV補正 WB太陽光
春の妖精と呼ばれるカタクリを狙いました。
脇役のカタクリを意図的に曇り空の中に入れ、「影絵的」なボケを生かしました。
近づきすぎると影がボケすぎるので、影の花の形が一番美しく見える距離を前後にカメラを動かして
丹念にベストポイントを探し撮影しました。
◎フルサイズカメラ、SP AF90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 (Model 272E)
絞り優先AE F2.8 シャッタースピード1/500秒 ISO100 +0.7EV補正 WB太陽光
基本的には前ボケを生かす場合には、開放気味で撮影することが多いのですが、
この写真の場合はクモの巣の形を生かす為に、F16まで絞り込んで撮影して、
大胆に前ボケにクモの巣を生かして撮影できました。
◎フルサイズカメラ、SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD(Model F004)
絞り優先AE F16 シャッタースピー1/400秒 ISO100 -1EV補正 WB太陽光
並んで咲くコスモスを普通に写しても面白くないので、レンズフードを意図的に外し、
手前に咲くコスモスの花をレンズの右側半分くらいに被るように撮影して、ファンタジックな前ボケを出しました。
◎フルサイズカメラ、SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD(Model F004)
絞り優先AE F2.8 シャッタースピー1/640秒 ISO100 +1.3EV補正 WB太陽光
曇り空を背景にサクラを狙いましたが、背景が白い曇り空だと間が抜けて見えるし、
サクラより白い空に目線が行ってしまうので、サクラの花を前ボケに入れて、
白い空を隠して主役のサクラを強調しました。
曇り空を背景に花を撮影する場合、+1~+3くらいまで段階露光撮影をして露出アンダーによる失敗を未然に防ぎましょう。
◎フルサイズカメラ、SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD(Model F004)
絞り優先AE F2.8 シャッタースピー1/500秒 ISO100 +2EV補正 WB太陽光
石井 孝親(いしい・よしちか)
1967年9月、横浜生まれ。東京写真専門学校卒業後、写真館勤務。2000年4月から自然写真家として活動開始。現在、身近な足元の自然をテーマに、写真展、写真雑誌、カレンダー等で幅広く活躍中!
写真集に「光と彩の季節・日本カメラ社」、技術書に「光を生かす花撮影術・日本カメラ社」など。自ら主宰する「フォトクラブ光と彩」で横浜、東京にてアマチュア写真家の指導にも力を入れている。
公式HP・石井孝親のネイチャーフォト http://www2.ttcn.ne.jp/~naturephoto/
石井孝親さんご使用のレンズについて詳しくは、
SP 90mm (Model F004)スペシャルサイト:http://www.tamron.co.jp/lineup/f004/index.html
SP 90mm (Model 272E)スペシャルサイト:http://www.tamron.co.jp/lineup/272e/index.html
第2回「光を生かして生命感を出す」(Model : F004/ 272E / G005)
花や小動物を被写体として選び、生命感を出すには光の選択、生かし方が「鍵」となります。
基本的には一番被写体が美しく見え、生命感を出せる光線状態は「逆光線」で、
私は被写体を探す時は必ず太陽に向かって歩いています。
逆光だと花びらや葉に光が透過するので、被写体が更に美しく輝いて見えます。
スタジオ写真の多灯ラィテイングと異なり、太陽光の1灯ラィティングなので、
常に太陽の位置を把握して撮影することが大切です。
簡単にプロ並の美しい花写真を撮りたいなら、「曇り」の日に撮影することをオススメします。
雲に太陽が遮られ、光がソフトになるので醜い影も出ませんし、花びらの色彩、質感も美しく再現可能です。
よりフットワークよく身軽にマクロ撮影をしたい方には、手ブレ補正は付いていませんが、
タムロンSP AF90mm F/2.8 Di MACRO 1:1(Model 272E)や
タムロンSP AF60mm F/2 Di II LD [IF] MACRO 1:1(Model G005)も軽量でオススメします。
子供のような低い位置から見上げてみたら、草にアマガエルの影がクッキリと映り込んでいました。
影のみでは面白くないので、ユーモラスな顔が見えるのが、この写真のポイントです。
◎フルサイズカメラ SP AF90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 (Model 272E)
絞り優先AE F2.8 シャッタースピード1/400秒 ISO100 +1EV補正 WB太陽光
夕方の撮影で色温度が低い状態なので、暖かみのある色調の写真が撮れました。
自然写真の場合、色温度の違いによる色調の変化を生かす為にWBは必ず「太陽光」にセットすることが大切です。
意図的にレンズフードを外し、フレアーを作画の調味料にしています。
◎APS-Cカメラ、SP AF60mm F/2 Di II LD [IF] MACRO 1:1 (Model G005)
絞り優先AE F2 シャッタースピード1/1000秒 ISO100 +1.7EV補正 WB太陽光
虹色に輝くクモの巣を普通に狙っても新鮮な写真は撮れないので、
花火の写真などは低速シャッターで狙い動感を出すので、
意図的に絞り低速シャッターで狙ったら、不思議な写真が撮れました。
虹色のクモの糸を生かす為には黒バックを選び、マイナス補正をして虹色に輝く糸を際立たせました。
◎フルサイズカメラ、SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F004)
絞り優先AE F22 シャッタースピー1/10秒 ISO100 -1EV補正 WB太陽光
ペンペン草(ナズナ)は、花は小さく地味で絵になりませんが、
小さなハート状の葉っぱがとても可愛いので、よくモデルさんになってもらっています。
背景は太陽で、小さなハート状の葉っぱをシルエット表現しました。
目には極めて悪い状態なので、肉眼で見て太陽が眩しくなる前の僅かな時間がシャッターチャンスです。
◎フルサイズカメラ、SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F004)
絞り優先AE F2.8 シャッタースピー1/2500秒 ISO100 WB太陽光
この写真は雨上がりの朝、まだ太陽が雲に遮られた状態で撮影したので、
花びらに影もなく、花びらの色彩や柔らかな質感も表現できました。
◎フルサイズカメラ、タムロンSP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F004)
絞り優先AE F2.8 シャッタースピー1/500秒 ISO200 +1.7EV補正 WB太陽光
石井 孝親(いしい・よしちか)
1967年9月、横浜生まれ。東京写真専門学校卒業後、写真館勤務。2000年4月から自然写真家として活動開始。現在、身近な足元の自然をテーマに、写真展、写真雑誌、カレンダー等で幅広く活躍中!
写真集に「光と彩の季節・日本カメラ社」、技術書に「光を生かす花撮影術・日本カメラ社」など。自ら主宰する「フォトクラブ光と彩」で横浜、東京にてアマチュア写真家の指導にも力を入れている。
公式HP・石井孝親のネイチャーフォト http://www2.ttcn.ne.jp/~naturephoto/
石井孝親さんご使用のレンズについて詳しくは、
SP 90mm (Model F004)スペシャルサイト:http://www.tamron.co.jp/lineup/f004/index.html
SP 90mm (Model 272E)スペシャルサイト:http://www.tamron.co.jp/lineup/272e/index.html
SP 60mm (Model G005)スペシャルサイト:http://www.tamron.co.jp/lineup/g005/index.html
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