TAMRON LENS BLOG

「ルイ・ヴィトン・アメリカズカップ・ワールドシリーズ第9戦」が福岡県の博多湾で11月19日と20日の2日間開催されました。日本での同大会の開催は初めてで、テレビでも放映されたのでご存知の方も多いことでしょう。カタマランタイプ(双胴艇)のヨットで競うレースは、スピードと迫力を兼ね備えたもので、私たちがこれまで抱いていたヨットの概念を大きく覆すものです。

今回、日本チームとして15年ぶりの出場となる「ソフトバンク・チーム・ジャパン」の協力でアメリカズカップを撮影する機会が得られました。チョイスしたレンズは最新の「SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2(Model A022)」。広いズーム域、高速のAF、強力な手振れ補正機構、防塵防滴ボディ、そして高い描写特性とまさにこのレースのためにあるような超望遠ズームです。今回のタムロンレンズブログでは、Model A022で撮影したアメリカズカップ激戦の様子をご覧いただきたいと思います。

 

_40a1357

疾走するアメリカチームのヨットを流し撮りで撮影しました。手ブレ補正機構「VC」のモードはMode 2を選択しています。ハル(船体)の中央から水面に突き刺している黒い板はダガーボードと言われるもので、ヨットを浮かび上がらせ水の抵抗を最小限にする役割があります。この浮かび上がった状態のことをフォイリングと言い、レースの醍醐味のひとつとなっています。

◎焦点距離:600mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/1600秒 ISO:400

 

_40a1642

ソフトバンク・チーム・ジャパン艇の黒いウイングセール(硬質帆)とジブ(前部の帆)が太陽の光を受けてギラリと輝いた瞬間を捉えました。撮影のために乗船したメディア艇は5トンほどのプレジャボートで、波浪の影響で終始揺れていましたが、強力でレスポンスのよい手ブレ補正機構「VC」の搭載で安定してカメラを構えることができ、シャッターチャンスを見逃すことはありませんでした。

◎焦点距離:450mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/2500秒 ISO:400

 

_40a1756

高速のAFで正確に被写体へピントを合わせ続けるのもA022の特徴です。カメラ側のAFへの応答も極めて高く、ストレスなくピントを合わせることが可能です。突然のヨットの動きに対してもそのレスポンスのよさからピントが大きく外れデフォーカスとなってしまうことはほとんどなく、ストレスフリーで撮影に臨めました。

◎焦点距離:600mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/640秒 ISO:400

 

_41a4567

フォイリングして海面を滑走するソフトバンク・チーム・ジャパン艇とスウェーデン艇。フォイリング中のヨットの最高速は60kmにもなると言われています。今回の撮影ではA022、1本で臨みましたが、ズームレンジの広さに大いに助けられるとともに、レンズ交換の手間も必要とせず快適に撮影が行えました。

◎焦点距離:350mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/1600秒 ISO:400

 

_42a5152

片方のハルの船首が水面に沈み込むほどの角度でコーナーを曲がるニュージーランド艇を捉えました。クルーたちが急いで次の体制を取ろうとしています。波や風の影響を受けやすいプレジャーボードからの撮影では、強力な手ブレ補正機構「VC」を持ってしても条件によっては効果が期待できないほど揺れることがあります。しかし、ちょっとでも安定した瞬間を見逃さずにカメラを構え直すとAFが速やかに被写体を再び捉え、同時に反応のよい「VC」のおかげで画面がすぐに落ち着き撮影を続行することができました。

◎焦点距離:600mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/1000秒 ISO:640

 

_42a5355

混戦のなかのソフトバンク・チーム・ジャパン艇。福岡での第9戦は残念ながら5位の結果でしたが(総合でも5位)、チームとしてスタートしたばかりであることを考えるとよく頑張ったと言ってよいと思います。簡易防滴構造の採用とレンズ最前面に撥水性に優れた防汚コートを施すため、多少の波しぶきがかかってもA022は安心。撮影に集中することができました。

◎焦点距離:500mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/1250秒 ISO:400

 

_42a5686

レースは初日および二日目とも3レースずつ行われました。ヨットは「AC45F」と呼ばれるカタマランタイプで、カーボン製のスマートなバウ(船体)となっています。Model A022はズーム全域で解像感が高く、極めてエッジの高い描写が得られました。色収差もよく抑えられており、被写体の縁などに見受けられることの多い色付きも見られません。写真は開放からわずかに絞ったF/8で撮影していますが、周辺減光の発生は感じられず、満足できる描写が得られました。

◎焦点距離:600mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/1000秒 ISO:1000

 

『長い歴史を誇る世界最高峰のヨットレース、アメリカズカップ』

アメリカズカップは、1851年にイギリスで最初に開催された歴史あるヨットレースだ。レース名の“アメリカ”とは、そのときの優勝チーム名である。現在、レースはまず複数のヨットが競う「ルイ・ヴィトン・アメリカズカップ・ワールドシリーズ」、そして「アメリカズカップ・チャレンジャーシリーズ」を経て、勝ち抜いた1チームが前回大会の勝利チームと対戦する本戦へと挑む。今回撮影したのはワールドシリーズ最終第9戦となるもので、2016年11月19日と20日の両日、福岡で開催され、アメリカ、イギリス、ニュージーランド、スウェーデン、フランス、そして日本の6チームが出場した。

 

『ソフトバンク・チーム・ジャパン』

その名のとおり携帯電話やインターネット関連でよく知られたソフトバンクがスポンサーのチーム。過去4回アメリカズカップの出場経験のある早福和彦がセーラー兼総監督としてチームをまとめ、ニュージーランドチームで実績を積んだディーン・バーカーがCEOを兼ねたスキッパーとしてチームを牽引する。ちなみに日本チームのアメリカズカップ出場は実に15年ぶり。ソフトバンク・チーム・ジャパンは総合5位の結果で「ルイ・ヴィトン・アメリカズカップ・ワールドシリーズ」を終了したが、同チームの今後の活躍に大いに期待したい。

<取材協力>
ソフトバンク・チーム・ジャパン
http://softbank-team-japan.americascup.com/jp/home.html

 

ohura大浦 タケシ(オオウラ・タケシ)

宮崎県都城市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、雑誌カメラマン、デザイン企画会社を経てフォトグラファーとして独立。以後、カメラ誌および一般誌、Web媒体を中心に多方面で活動を行う。写真展としては「盆地~もうひとつの記憶」(2006年3月コニカミノルタプラザ)、「Expression ~生き物たちの肖像~」(2013年4月エプサイト)、「蒼き刻 - Ink Blue Serenity in Tokyo - 」(2015年10月キヤノンギャラリー銀座ほか)など。公益社団法人日本写真家協会(JPS)会員。日本自然科学写真協会(SSP)会員。

公式ホームページ
http://www.takeshiohura.jp/index.html

 

大浦タケシさんご使用のレンズについて詳しくは、
SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2(Model A022)製品ページ:
http://www.tamron.jp/product/lenses/a022.html

タムロンの超望遠ズーム「SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2(Model A022)」が先日発表されました。
長年、動物園の動物を被写体のひとつとして撮影を楽しんでいる自分にとって、これはビッグニュース。
というのも、Model A022の先代「SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD(Model A011)」の焦点距離など
たいへん使いやすく感じており、さらに光学系や操作系がブラッシュアップされたとなると、
注目しない理由が見当たらないからです。

ちなみに、Model A011以前はAPS-Cサイズのデジタル一眼レフと
70-200mm F/2.8クラスの望遠ズームの組み合わせをメインに、
1.4倍のテレコンバーターを状況に応じて使用していましたが、
テレ端600mmとするModel A011になってこの一本で撮影に臨めるようになり、
さらにフルサイズのデジタル一眼レフでの使用でも大きく被写体を画面に引き寄せられるため
表現の幅も格段に広がったように思えます。
今回、ラッキーにも発売に先駆けModel A022で撮影する機会が得られましたので、
その作例を見ていただければと思います。

 

1_0000241_350mm

焦点距離350mm、絞りF/8で撮影しています。
ピントを合わせた左目の周辺を中心にシャープな描写で、生き生きとした表情を鮮明に捉えることができました。
ちなみにAFで撮影の場合、Model A022でも合焦後自動的にMF操作が可能となります。
掲載した写真のようなアップの撮影ではピント位置が気になることがありますが、そのようなとき微調整も容易です。
ボケもズームレンズとしては素直で柔らかく思えます。
よく見ると画面の真ん中を水平に横切る幅の広い線と、同じく左側に垂直に横切る線が確認できますが、
これはユキヒョウとModel A022の間にある檻がボケて写り込んでいるものです。

◎焦点距離:350mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/500秒 WB:オート ISO感度:400

 

2_0000781_600mm

Model A022に向かって歩くユキヒョウをテレ端600mmで狙いました。
AFモードはコンティニュアスAFとしています。
選択したフォーカスエリアと重なった部分に対し正確にピントを合わせ続けるため、
撮影者は被写体に集中することができます。
写真はユキヒョウがちょっと顔を上げた瞬間を逃さず狙ったものですが、精悍な表情を捉えることができました。
絞りは開放から1/3段絞ったF/7.1ですが、周辺減光の発生はよく抑えられておりコントラストも良好です。
背景のボケの一部が二線ボケのように見えますが、これも檻を通して撮影しているために発生したものです。

◎焦点距離:600mm 絞り:F/7.1 シャッタースピード:1/640秒 WB:オート ISO感度:1000

 

3_0000749_250mm

合焦面のエッジのキレは鋭く、極めてシャープネスの高い描写です。
立体感も上々で背景から被写体が浮かび上がって見えるほどです。
今回の撮影では高画素のデジタル一眼レフを使用していますが、
Model A022は解像感の不足を一切感じないことと思います。
なお、被写体とカメラの間にある檻がボケてその部分の解像感が低下していますが、
撮影ではユキヒョウの顔がなるべくその部分と重ならないように注意してアングルを決めました。
座っていても鋭い眼差しなのは、本来肉食系の野生動物だからなのでしょうか。

◎焦点距離:250mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/250秒 WB:オート ISO感度:1600

 

4_dsc_5931_600mm

手ブレ補正機構「VC」がより強力なものになったこともModel A022の進化したポイント。
テレ端600mmでも手持ち撮影が怖くありません。掲載した写真も手持ちで撮影したものですが、
ピントのあった部分の毛の一本一本を緻密に描写しています。
また、絞り値はF/8と開放から2/3段しか絞っていませんが、周辺減光などよく抑えられています。
写りとは直接関係ありませんが、Model A022の三脚座も便利に感じる部分です。
アルカスイス・クイックシューに対応し、さらに以前のものより大型化されているため、
レンズを持ち運ぶ際のグリップとしても使いやすく思えました。

◎焦点距離:600mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/640秒 WB:オート ISO感度:4500

 

5_dsc_5636_900mm

Model A022とともに発表されたテレコンバーターもトライアルすることができました。
試してみたのは1.4倍の「1.4x(Model TC-X14)」。
このテレコンバーターの特徴はModel A022に最適化されていること。
もちろんAF、手ブレ補正機構「VC」とも機能します。テレコンバーターのメリットのひとつに、
最短撮影距離が変わらないため、必然的に最大撮影倍率がアップすることがあります。
掲載した写真のように大きく被写体を引き寄せられ、細かな部分もより鮮明に捉えることができます。

◎焦点距離:900mm 絞り:F/13 シャッタースピード:1/1000秒 WB:オート ISO感度:2800

 

Profile

ohura大浦 タケシ(オオウラ・タケシ)

宮崎県都城市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、雑誌カメラマン、デザイン企画会社を経てフォトグラファーとして独立。以後、カメラ誌および一般誌、Web媒体を中心に多方面で活動を行う。写真展としては「盆地~もうひとつの記憶」(2006年3月コニカミノルタプラザ)、「Expression ~生き物たちの肖像~」(2013年4月エプサイト)、「蒼き刻 - Ink Blue Serenity in Tokyo - 」(2015年10月キヤノンギャラリー銀座ほか)など。公益社団法人日本写真家協会(JPS)会員。日本自然科学写真協会(SSP)会員。

公式ホームページ
http://www.takeshiohura.jp/index.html

 

大浦タケシさんご使用のレンズについて詳しくは、
SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2(Model A022)製品ページ:
http://www.tamron.jp/product/lenses/a022.html

カテゴリ