TAMRON LENS BLOG

標準的なズームレンズでは表現出来ない、超広角・超望遠レンズでの作品世界を、
鉄道写真の撮り方ワンポイントを交えて教えていただきました。
それでは、広田 泉 氏の作品をご覧下さい。

 

圧縮効果から望遠レンズを用いることが多い桜の撮影ですが、
広角レンズを使って物を整理した絵づくりが有効なシーンもあります。
前後に動いて最適な位置を探しましょう。

A-1

16-300mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD MACRO (Model B016)で撮影

◎焦点距離:210 mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/2000秒 ISO感度:320

 

A-2

SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (Model A012)で撮影

◎焦点距離:15mm 絞り:F/4.5 シャッタースピード:1/4000秒 ISO感度:640

 

望遠撮影の基本である「空間を多くとりいれる」を実践したもの。
蒸気機関車を撮影する場合は煙を吐くこともあり、縦で撮りたくなってしまうものだけど、
敢えての横位置が効く場合が多い。
余ったスペースは、その場にある印象的だったものをとりいれることで空間を生かした絵づくりが可能になる。

B

SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD (Model A011)で撮影

◎焦点距離:500 mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/1000秒 ISO感度:1000

 

フレームアウト。
被写体に主なテーマがある場合は思い切ってフレームアウトさせてしまうのも手。
この場合は運転士の方と会話をし「夢を叶えたくて家族を離れ九州まで行き運転士になった」という話を聞き、
その顔つきを主題にしたかった。
車輌が全部入ってしまうと運転士の顔つきまでは見えなくなってしまうものなので、
はみだすことによって画面内を整理した。

C

SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD (Model A011)で撮影

◎焦点距離:350 mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/250秒 ISO感度:500

 

ローカル線の撮影では待ち時間が、とても長いことがある。次の列車まで7時間以上とか。
そういう時間の過ごし方も含めて楽しめるのがいいところだけど
「写真を撮りたい~」っていう時におすすめなのが、こちら。
模型をバッグにしのばせておけば、時間が経つのも忘れてしまうほど。
マクロがなければ望遠でも十分楽しむことができる。
寄ったり引いたり様々な撮影方法で普段はありえないような世界が撮れるはず。

D

SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD (Model A011)で撮影

◎焦点距離:600mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/400秒 ISO感度:200

 

Profile

広田 泉広田 泉(ひろた・いずみ)1969年東京都生まれ。

全国に走る鉄道の現在を撮影し写真展、書籍で発表するなか各種イベントやツアー、撮影教室、TVなどで写真の楽しさを広く伝えようと活動している。2011年は自然災害により被災した地域への復旧活動を続けるなか、写真集「ここから始まる。」を刊行。収益を鉄道会社に寄付して線路を繋げる活動にも力を入れ続けている。

鉄道写真.com:http://tetsudoshashin.com

 

広田泉さんご使用のレンズについて詳しくは、
SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD(Model A012)製品ページ:
http://www.tamron.jp/product/lenses/a012.html

SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD (Model A011)製品ページ:
http://www.tamron.jp/product/lenses/a011.html

16-300mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD MACRO (Model B016)製品ページ:
http://www.tamron.jp/product/lenses/b016.html

 

<タムロン鉄道風景コンテスト事務局から>
「第9回 タムロン鉄道風景コンテスト」の募集締切が、いよいよ8月25日(木)【消印有効】と迫ってまいりました。
夏休みを利用してのご旅行に、是非とも「鉄道風景」を撮影してご応募ください!

コンテストについての応募方法や詳細はこちら:
http://www.tamron.jp/special/contest/train2016/

ちょっと時間は経ちましたが、4月の中頃から2週間ほどドイツ北部の撮影に行ってきました。
撮影場所はドイツ随一の港湾都市ハンブルク、そこから北上して世界遺産の街リューベックとトラーフェミュンデ、
北欧の玄関口キールと郊外のラーボエという村です。
過去8回のドイツ取材はすべてベルリンでしたので、今回訪れる街は初めて。
内陸部と違い海に面した街ということで、人も風土もどこか陽気で、今までドイツで感じた何かと違いました。

僕が海外取材に普段持って行く機材はいたってシンプル。
ボディー1台(万が一のために予備でもう1台持って行きます)に標準ズームと望遠ズーム、
そして標準画角の単焦点1本だけです。
これはスナップの場合、機材は軽量なほうがいいということでのセレクト。
また風景を撮影したり夜間撮影のために軽量のトラベル三脚は持っていきます。
そんな今回の海外取材のお供にSP 15-30mm F/2.8 Di VC USD(Model A012)を連れて行くことになりました。

ご承知のとおり超広角レンズは肉眼で捉えることのできない広さが写ります。
被写体との距離に応じて変化する強烈なパースペクティブも魅力です。
アイレベルで撮影しシンプルに目の前の広々とした空間を切りとってもいいでしょうし、
カメラアングルをつかって極端なパースをつける画面も面白いでしょう。
また、広角レンズは近接性能が高いので被写体にグッと迫った撮り方も可能です。
しかしこのレンズ、重さ1,1kgとちょっと気になる重さ。レンズをとっかえひっかえしながらの撮影というよりは、
広角一本で撮影できる被写体探し、という割り切った使い方がおもしろいのではないでしょうか。
鋭い描写と安定した手ブレ補正機構には定評あるレンズです。
実際あらゆる角度で撮影してみて、歪みが少なく、安定した色乗り等、そのポテンシャルの高さは十分実感できました。

作例には、広いシーン、接近したシーン。そして大口径を活かして室内や夜間の撮影も行ってみました。
超広角レンズで切り取る世界を是非堪能してみてください。

 

01_Hamburg Rathaus

Hamburger Rathaus

1897年完成のハンブルグ市庁舎。新ルネッサンス建築で112mの尖塔を備えるシンメトリックで均整のとれた建物。
1Fホール天井はドームになっていてそのカーブが美しい。

◎EOS 6D 焦点距離:15mm、絞り:F/2.8、シャッタースピード:1/50秒、露出補正:-2/3、ISO:800

 

Hamburg Deichstrasse

Hamburg Deichstrasse

レストラン入り口におかれたユニークな人形。
カリカチュアのようにデフォルメされたこの人物はオーナーなのだろうか。レンズ最短28cmで撮影。

◎EOS 6D 焦点距離:15mm、絞り:F/2.8、シャッタースピード:1/400秒、露出補正:+1、ISO:100

 

Hamburg Deichstrasse

Luebeck

緯度が高いため4月の日没は午後8時ごろ。そのため夜の撮影スタートが遅くなってしまうのはちょっとネック。
そんなときは一度宿に戻って夜明け前に撮影することにしている。

◎EOS 6D 焦点距離:15mm、 絞り:F/11、シャッタースピード:15秒、露出補正:-1、ISO:200

 

Friedrichsort

Friedrichsort

キール北西部の小さな町。陸路でも行けるが、やはり港町ということもあって、
湾内を縦横に連絡している渡船が盛んに運行されている。写真は渡船乗り場の桟橋。

◎EOS 6D 焦点距離:15mm、絞り:F/8、シャッタースピード:1/800秒、ISO:100

 

Kieler Hafen

Kieler Hafen

2本マストの木造帆船。夜中30秒の露光で撮影。
毎年6月にKieler Wocheと呼ばれる世界規模のヨットレース&祭典がある。
日中盛んに船の整備をしていたのはどうやらその準備のようだった。

◎EOS 6D 焦点距離:15mm、絞り:F/6.3、シャッタースピード:30秒、ISO:400

 

Werftpark

Werftpark

日本語で造船公園。街中に広大な緑地や公園が点在するのもドイツの特徴。
平日休日問わず市民の憩いの場となっている。大きな樹が後ろからの太陽に照らされ迫ってくるようだった。

◎EOS 6D 焦点距離:15mm、絞り:F/8、シャッタースピード:1/1000秒、露出補正:+1、ISO:400

 

Schiffsfahne

Schiffsfahne

民間船の特徴である船尾に掲げられた国籍旗。北ドイツの湾内の強風を受けてはためく姿を1枚。
空に浮かぶ無数の飛行機雲もいいアクセントだった。

◎EOS 6D 焦点距離:17mm、絞り:F/4.5、シャッタースピード:1/2000秒、露出補正:+2/3、ISO:160

 

U-Boot1

U-Boot1

ラボエという村に静態展示されている潜水艦U995。ドイツ海軍の拠点としても栄えた小さな村だ。
海岸沿いにひっそりと展示される姿は少し異様な雰囲気だった。

◎EOS 6D 焦点距離:15mm、絞り:F/4、シャッタースピード:1/4000秒、露出補正:-3、ISO:100

 

U-Boot2

U-Boot2

展示される潜水艦内にも入れる。狭い艦内で広角レンズが威力発揮。F2.8の大口径も見方になってくれた。
写真は中央指揮所の計器盤。

◎EOS 6D 焦点距離:18mm、絞り:F/2.8、シャッタースピード:1/800秒、ISO:1600

 

Profile

種清豊種清豊(たねきよ・ゆたか)

1982年大阪生まれ。京都産業大学外国語学部ドイツ語学科卒業。写真家竹内敏信氏のアシスタントを経て、2007年よりフリーランス。商品撮影のほかカメラ専門誌、WEBなどに写真関連記事を掲載している。国内及び海外での現代の街並みをテーマにしたスナップを撮影中。キヤノンEOS学園講師 日本写真学院講師

 

 

種清 豊さんご使用のレンズについて詳しくは、
SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (Model A012)スペシャルサイト:

http://www.tamron.co.jp/lineup/a012/index.html

みなさま、F/2.8の大口径超広角ズームレンズに世界で初めて※、手ブレ補正機構を搭載した超広角ズームレンズ「SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (Model A012) 」が『EISAアワード/European DSLR Zoom Lens 2015-2016』を受賞しました。

タムロンのEISAアワード受賞は今年度で17回目を数えますが、2006年度より10年連続受賞の快挙を達成しました!

受賞について詳しくは
http://www.tamron.co.jp/news/release_2015/0817.html


SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (Model A012)

製品スペシャルサイト  http://www.tamron.co.jp/lineup/a012/index.html

eisa_a012

※ 35mm判フルサイズ対応のデジタル一眼レフカメラ用大口径F/2.8超広角ズームレンズにおいて。
(2015年8月16日現在。タムロン調べ)

人気カメラ雑誌である「CAPA」編集部から電話が鳴った。
依頼の内容はタムロン社から発売になった大口径超広角レンズの
インプレッションを5日ほどで仕上げてもらえないかと言う内容だった。
CAPA誌 2015年7月号に記事掲載
制作時間はタイトだが何より僕の作風を理解しての依頼に頬が緩んだ。
広角系のレンズは、最近話題の歪まない超高級レンズから始まって開放F値の明るいものまで、
撮影状況に合わせて変えて撮影している僕にとって、
タムロンSP 15-30mm F/2.8 Di VC USDはとても興味深いレンズであったからなおさらである。

翌日宅急便にてレンズが届いた。箱を開けて最初に思ったのは「レンズ間違えて送ってきてるよ」だった。
丁寧に梱包されたレンズは広角レンズのイメージより遙かに大きく重たかったからだ。
一応梱包を解きレンズ名を確認した。
編集者がレンズを間違えて送るはずがない、心の何処かでそう思っていたのだ(笑)
早速EOS 5D Mark Ⅲに装着。単体で持ったときには感じた質量はなく、ボディーとのバランスが絶妙だ。
これくらいの重量があることでブレを中和する事が出来る印象だ。しかもVCの性能も上がっていると言う。
これは是非我が故郷の霜月祭の撮影に使ってみたいと思った。しかし、祭は12月。
レンズ返却は原稿を書き終えるまでにと期限がある。
どうにかしてくれるかどうかはタムロン敏腕広報マンのA氏の腕の見せ所と言ったところだろうか(笑)

僕ら写真家は何時も撮影に出ているイメージがあるかもしれないが、昨日今日の依頼で直ぐに撮影には出られない。
他の仕事もあるので出発は翌日の早朝からとなった。残り撮影時間がこれで4日となる。
困ったときの撮影場所は昔アルバイトをしていた北八ヶ岳の白駒池方面。
5月から6月に掛けて芽吹きが綺麗で、もしかしたら早咲きのツツジに出会えるかも?と思いを馳せた。
思惑はドンピシャで当たり、シダの原っぱやツツジの群落、水量の多い渓谷に出逢うことが出来た。
このレンズとの相性も良さそうである。

 

_P0A1559@HATA

◎焦点距離:18mm、EOS 5D Mark Ⅲ、撮影モード:絞り優先、絞り:F/8、シャッタースピード:1/100秒、
ISO 100

 

_P0A1721@HATA

◎焦点距離:15mm、EOS 5D Mark Ⅲ、撮影モード:絞り優先、絞り:F/8、シャッタースピード:1/15秒、
ISO 200、露出補正:+0.7

 

_P0A1645@HATA

◎焦点距離:24mm、EOS 5D Mark Ⅲ、撮影モード:絞り優先、絞り:F/22、シャッタースピード:1/4秒、
ISO 200、露出補正:+1

 

_P0A1648@HATA

◎焦点距離:28mm、EOS 5D Mark Ⅲ、撮影モード:絞り優先、絞り:F/7.1、シャッタースピード:1/500秒、
ISO 800、露出補正:+0.3

 

前玉が大きくPLフィルターが使えないが、
デジタル時代になってPLの使用頻度は下がっているので気にはならなかった。
AFも速くMF時のピントの山も掴みやすい。やはりF2.8の威力はここにある訳だ。
広角レンズ故に明るいレンズだからと言って簡単にボケが出る訳ではないが、
セオリー通りに被写体に近づき背景の距離を考えると綺麗なボケが現れた。これはイケる!
最短撮影距離28cmと開放F2.8は、ボケを活かす為に最高のスペックである。
星の撮影をと思っていたが天候は夕方から雨。夕景朝日の撮影も出来ず翌日帰路に付いた。

 

_P0A1586@HATA

◎焦点距離:30mm、EOS 5D Mark Ⅲ、撮影モード:絞り優先、絞り:F/2.8、シャッタースピード:1/1000秒、
ISO 400、露出補正:+1.3

 

_P0A1639@HATA

◎焦点距離:15mm、EOS 5D Mark Ⅲ、撮影モード:絞り優先、絞り:F/8、シャッタースピード:1/2秒、
ISO 200、露出補正:+1.7

 

_P0A1654@HATA

◎焦点距離:15mm、EOS 5D Mark Ⅲ、撮影モード:絞り優先、絞り:F/22、シャッタースピード:1/4秒、
ISO 200

 

_P0A1642@HATA

◎焦点距離:16mm、EOS 5D Mark Ⅲ、撮影モード:絞り優先、絞り:F/16、シャッタースピード:1/6秒、
ISO 200、露出補正:+0.3

 

1日取材時間に余裕が出来たので家族と江ノ島へ出かけた。
原稿を書き始めても良かったのだが、家族が居る日に自宅に僕が居る時は年に数回。
今後の平和な日々の為に「江ノ島でも行こうか!」と僕から提案したのだ。
所謂家族サービスと言うやつだが、この数日間だけの相棒を肩からぶら下げ出発した。
広角レンズを活かせるシチュエーションを探り当てるのは片手間では中々難し。
特に24mmを越える焦点距離になると、肉眼では認識しにくい画角がファインダーに飛び込んでくるので、
シャッターを切る時に「良い感じ」と思っていても実際は駄作しか撮影出来ない。
そんな中、我が家のチビが砂浜で足を大きく上げて遊び出したので1枚パシャリ。
大きなガラス玉が付いているにもかかわらず、このAFの速さ。とても大満足な仕上がりを感じたレンズである。

 

_P0A1185@HATA

◎焦点距離:17mm、EOS 5D Mark Ⅲ、撮影モード:絞り優先、絞り:F/2.8、シャッタースピード:1/1000秒、
ISO 200、露出補正:+1.3

 

Profile

秦 達夫秦 達夫(はた・たつお)

1970年長野県生まれ。自動車販売会社退職後、バイクショップに勤務。後に家業を継ぐ為に写真の勉強を始めるが写真に自分の可能性を見出し写真家になる。写真家竹内敏信氏のアシスタントを経て独立。故郷の湯立神楽「霜月祭」を16年間取材した『あらびるでな』で第八回藤本四八写真賞受賞。同タイトル写真集を2014年12月に出版(信濃毎日新聞社)。『山岳島_屋久島』写真集(日本写真企画)。小説家・新田次郎氏著『孤高の人』の加藤文太郎や『アラスカ物語』のフランク安田に憧れている。日本写真家協会会員、日本写真協会会員。

 

秦 達夫さんご使用のレンズについて詳しくは、
SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (Model A012) スペシャルサイト:

http://www.tamron.co.jp/lineup/a012/index.html

 

 

「CAPA」誌、2015年7月号(6月20日発売)にて、秦さんのSP15-30mmインプレッションが掲載されました。
学研パブリッシングホームページのCAPAカメラネットにて、
「CAPA」誌についての最新情報やバックナンバーのご案内がご覧いただけます。

CAPAカメラネットについてはこちら http://capacamera.net/
「CAPA」誌についてはこちら http://capacamera.net/capa/

 

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はい。阿部秀之です!
4回目の「ワイドズームで写真は上手くなる」です。早いものでこれが最後になります。
今回はSP 15-30mmのまだ伝えていない使いこなしのコツや魅力について話していきましょう。

このレンズを初めて手にした人が必ず感じるのは、ズシリとくる重さです。
1100gはヘビー級であることに間違いなく、
いつも交換レンズを3本くらい持ち歩く人が、その1本にしようと考えると大変です。
15-30mmを持って出るときは、ほかに交換レンズを持とうと考えないことです。
その日はワイドに徹すれば良いのです。
しかも1本で15、18、20、24、28、35mmと6本もの交換レンズを持つことになるのです。
十分ではありませんか。もし撮れないものがあったら、そのときはあきらめるというのもひとつです。
気持ちをワイドに集約して被写体を見つけましょう。

 

DSC_1627

15-30mmを持って出るときは、ほかに交換レンズは持ちません。この日は三脚も持っていきませんでした。
シャッタースピードは1/2秒と遅いですが、定評のあるVC(手ブレ補正機構)を搭載しているので、
しっかり構えて数カット撮れば写し止まっているものがあります。もちろん手ブレには個人差があります。
ブレない撮影法を練習することも大切です。

◎焦点距離:15mm 絞り:f/8 シャッタースピード:1/2秒 露出補正:-0.3 ISO感度:400

 

ワイドズーム、超広角の世界の画面は、横位置だと思っている人が多いようです。
間違いではありませんが、実は縦位置とも相性がいいのです。
15mmといえども室内で引きがないときは横位置では収まりきれないこともあります。
そんなとき縦位置ならピッタリと収まることもあります。
また横位置は広がりを表しますが、縦位置は高さを表してくれます。
天地を表現したいときに縦位置をよく使います。

 

DSC_1615

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大阪中央公会堂で撮影。室内では引きがなく15mmでも横位置だと収まりきれないことがあります。
こんなときは縦位置にしてみましょう。スッキリ収まることも多いのです。
15mmでありがながらディストーションがほぼ完全に補正された描写はほれぼれします。

◎焦点距離: 15mm 絞り:f/4 シャッタースピード:1/25秒 露出補正:-0.3 ISO感度: 200

 

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縦位置は高さを表すのに向いています。天と地を表現したければ、縦位置でフレーミングしてみましょう。
画面に余計なものが入らずスッキリとした写真になります。

◎焦点距離:30mm 絞り:f/5.6 シャッタースピード:1/100秒 ISO感度:100

 

驚くほど深い被写界深度も超ワイドの魅力です。
目の前の扉から部屋の奥まで、ほぼすべてがシャープに写し取られています。
非現実的に思えるかもしれませんが、実は人の目の見え方と一緒です。
人の目はいつもパンフォーカスで、ボケで見えることはないのです。
深い被写界深度を利用した撮り方は超ワイドを持っていると自然に身についてきます。
標準や望遠では表せない世界があるのです。

 

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扉から大きな部屋の奥まですべてがシャープに見えています。いわゆるパンフォーカスな描写になっています。
さすがは15mmと驚かれるかもしれませんが、
人の目も実は常にパンフォーカスで背景がボケて見えたりはしませんよね。
この撮影でも三脚は使っていません。15mmで1/6秒はタムロンのVCなら手持ちでもラクラク写し止まります。

◎焦点距離:15mm 絞り:f/5.6 シャッタースピード:1/6秒 露出補正:-0.3 ISO感度:400

 

最短撮影距離が全ズーム域で0.28mと短いのも15-30mmの大きな魅力です。
最短撮影距離は短いほど自由な表現が可能です。思いきってグッと寄って撮ってみましょう。
綺麗なボケが得られます。
一般にレンズの描写は、至近では悪くなっていくのですが、15-30mmはそれを感じさせません。
実に素晴らしい描写です。
近寄って撮影した後は、頭は柔軟に切り替えることが大切です。
ピントを合せるところを変えれば、まったく別な世界に出会えることも珍しくありません。
望遠は被写界深度が浅いですが、写る範囲が狭いです。
ワイドで近寄ると写る範囲が広くなるので、望遠よりも一段と大きな変化が得られるのです。

 

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最短撮影距離が0.28mと短く、グッと近寄れるのがタムロンSP 15-30mmの魅力のひとつです。
思い切ってグッと寄ってみてください。そして今度はピント位置を変えてみる。また違う世界が広がるはずです。

◎焦点距離:30mm 絞り:f/6.3 シャッタースピード:1/30秒 露出補正:-0.3 ISO感度:250

 

さて、4回に渡ってお送りした「ワイドズームで写真は上手くなる」は、楽しんでいただけましたか。
15mmからのズームなんて使いこなせないと思っているあなた! 大丈夫です。
少しずつ慣れていけば、必ず使いこなせます。
そして使いこなせたときには、これまで以上にグッと写真が上手くなっていることでしょう。
では、またお会いしましょう。

 

Profile

阿部秀之

阿部秀之(あべ・ひでゆき)

東京生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。タムロン宣伝課を経て、86年よりフリー。ヨーロッパの風景、コマーシャルなど、幅広いジャンルを撮影。フリーになると同時にカメラ専門誌にも執筆をはじめる。
カメラグランプリ選考委員を87年より歴任。

 

阿部秀之氏が解説するレンズ、SP 15-30mm F/2.8 Di VC USDの製品スペシャルサイト
http://www.tamron.co.jp/lineup/a012/index.html

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