TAMRON LENS BLOG

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実際にSP45mm F/1.8 Di VC USDを使ってみて最初に驚くのは、絞り開放時のシャープな描写だろう。
それに加えて、絞り開放付近のボケが非常に美しいことだ。
一般にシャープなレンズになるほどボケのエッジも強調されて2線ボケ傾向が出やすいが、このレンズの場合は逆。
ボケのエッジ部分が周囲に溶け込むように美しい。

ピントの合ったところはシャープでかつボケがきれい。
これだけで全く新しい感覚だが、これを標準域の焦点距離で達成しているうえに、
手ブレ補正によってさらに撮影領域を広げているところがこのレンズの神髄だ。

作画してみると、思っている以上に多彩な画が生まれてくる。
前回も書いた、広角レンズ的な描写と望遠レンズ的な描写、
そしてこの焦点域では従来にない絞り開放時のシャープな描写とボケの美しさ、そして手ブレ補正による暗所対応。
これらが相まって、一本のレンズで撮影したとは思えない画の広がりを感じさせる。
それでいて、広角レンズや望遠レンズを用いた場合のような不自然さはなく、
人間の目に近い自然なパースペクティブが得られるところがなんとも粋なのである。
使い込むほどにその奥深さが伝わる。本当の意味でのスタンダード(標準)の世界がこのレンズにはあると思えた。

 

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被写体に寄って絞り開放で撮影。ピントの合った部分は非常にシャープでありながら、背景はエッジが滑らかで自然な美しいボケが得られており、何が写っているかよくわかる。前ボケも自然で、被写体との分離が容易だ。

◎焦点距離:45mm 絞り:F/1.8 シャッタースピード:1/1600秒 ISO感度:400
-1補正 (フルサイズカメラで撮影)

 

手ブレ補正機構があるので、スローシャッターにもチャレンジでき、動と静の対比といった表現も可能だ。この場合シャッタースピードは1/20秒。手ブレをおさえ、バイクや自動車は流して動感を表現している。

手ブレ補正機構があるので、スローシャッターにもチャレンジでき、動と静の対比といった表現も可能だ。この場合シャッタースピードは1/20秒。手ブレをおさえ、バイクや自動車は流して動感を表現している。

◎焦点距離:45mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/20秒 ISO感度:100
-1.3補正 (フルサイズカメラで撮影)

 

通常ならパンフォーカスにしてしまう構図だが、絞りF/2で撮影することで手前の木々をぼかしてみた。自然で美しい前ボケは特筆すべきレベルで、後方のビルも極めてシャープに描写されている。こういう絵柄もこのレンズならでは。

通常ならパンフォーカスにしてしまう構図だが、絞りF/2で撮影することで手前の木々をぼかしてみた。自然で美しい前ボケは特筆すべきレベルで、後方のビルも極めてシャープに描写されている。こういう絵柄もこのレンズならでは。

◎焦点距離:45mm 絞り:F/2 シャッタースピード:1/2000秒 ISO感度:100
-0.7補正 (フルサイズカメラで撮影)

 

奥行きのある被写体で遠近感を強調する構図で撮影すると、広角レンズ的な描写が得られる。45mmでは、望遠的、広角的といった構図のとり方を意識して撮影すると非常に多彩な作画を楽しめる。

奥行きのある被写体で遠近感を強調する構図で撮影すると、広角レンズ的な描写が得られる。45mmでは、望遠的、広角的といった構図のとり方を意識して撮影すると非常に多彩な作画を楽しめる。

◎焦点距離:45mm 絞り:F/1.8 シャッタースピード:1/250秒 ISO感度:100
-1.7補正 (フルサイズカメラで撮影)

 

ビルのガラス壁面に写り込んだ夜間照明が美しい。高画素機で手持ち撮影しているが、極めてシャープな描写が得られている。こういった表現が可能なのも、絞り開放から使えるシャープな描写と手ブレ補正機構によるところが大きい。

ビルのガラス壁面に写り込んだ夜間照明が美しい。高画素機で手持ち撮影しているが、極めてシャープな描写が得られている。こういった表現が可能なのも、絞り開放から使えるシャープな描写と手ブレ補正機構によるところが大きい。

◎焦点距離:45mm 絞り:F/1.8 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:800
-1.3補正 (フルサイズカメラで撮影)

 

杉本 利彦さんご使用のレンズについて詳しくは、

SP 35mm & SP 45mm F/1.8 Di VC USD (Model F012 / F013) 製品ページ:

http://www.tamron.jp/product/lenses/f012_f013.html

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45mmといえば広角寄りの標準レンズとして古くからスナップ派の写真家に人気のある焦点距離だ。
筆者も“単焦点レンズ一本で決める”なら45mmを選ぶ。
なぜなら、45mmという焦点距離は遠近感を強調する構図では広角レンズ的に撮影でき、
被写体に正対するか寄って絞りを開ければ望遠レンズ的に使え、
写真家の意図によって多彩な使い方ができる焦点距離だからだ。

ところが、従来は広角レンズ的には使えても、本当の意味で望遠レンズ的に使える理想の45mmはなかった。
つまり従来の45mmでは、小型軽量を優先する時はF/2.8クラスのテッサー型、
あるいはF/2以上の明るさではガウス型のレンズ構成とするのが定石であり、
F/2.8では絞り開放でもボケがそれほど大きくならないし、
開放F値がF/2以上でもガウス型のレンズ構成だと絞り開放時の画質が甘くて結局使えないというのが実状だった。

しかし、今回のSP45mm F/1.8 Di VC USDは、標準レンズでありながら
広角レンズに多いレトロフォーカス型のレンズ構成と非球面レンズ、
LDレンズを組み合わせる最新の光学設計技術によって、絞り開放から安心して使える高画質を実現している。
これほどコストのかかった最新設計の標準レンズは、世にある交換レンズ全体を見渡してもまだ数えるほどしかなく、
45mmではもちろん初めてのレンズである。

 

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街角でのヒトコマ。45mmレンズを望遠レンズ的に使用。カメラを目線の高さ方向に構えて絞りを開けると望遠的な撮影ができる。絞り開放で撮影しているが、従来型大口径レンズをF/2.8以上に絞ったようなシャープな描写だ。

◎焦点距離:45mm 絞り:F/1.8 シャッタースピード:1/640秒 ISO感度:800
-1.7補正 (フルサイズカメラで撮影)

 

マネキンの手の部分にピントを合わせているが、F/1.8絞り開放で撮影したとは到底思えないほどのコントラスト再現性が得られている。ボケも自然で美しく、シャープな描写と美しいボケが両立。新感覚の描写力だ。

マネキンの手の部分にピントを合わせているが、F/1.8絞り開放で撮影したとは到底思えないほどのコントラスト再現性が得られている。ボケも自然で美しく、シャープな描写と美しいボケが両立。新感覚の描写力だ。

◎焦点距離:45mm 絞り:F/1.8 シャッタースピード:1/1600秒 ISO感度:400
-2補正 (フルサイズカメラで撮影)

 

真新しい遊覧バス。遠近感を強調した構図では広角レンズで撮影したような効果が得られる。1本のレンズで、望遠的にも広角的にも使えるのはこの焦点域の大口径レンズに限られる。

真新しい遊覧バス。遠近感を強調した構図では広角レンズで撮影したような効果が得られる。1本のレンズで、望遠的にも広角的にも使えるのはこの焦点域の大口径レンズに限られる。

◎焦点距離:45mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/320秒 ISO感度:400
-1補正 (フルサイズカメラで撮影)

 

こちらはさくらをF/1.8絞り開放で撮影。背景は何が写っているかわかる自然で美しいボケで、被写体が浮き立つように見える。ボケが主張しすぎて何がボケているかわからないレンズとは一線を画す優れた描写である。

こちらはさくらをF/1.8絞り開放で撮影。背景は何が写っているかわかる自然で美しいボケで、被写体が浮き立つように見える。ボケが主張しすぎて何がボケているかわからないレンズとは一線を画す優れた描写である。

◎焦点距離:45mm 絞り:F/1.8 シャッタースピード:1/8000秒 ISO感度:100
-0.7補正 (フルサイズカメラで撮影)

 

絞り開放から非常に優秀だが、絞るとさらに完璧な描写になる。35mmフルサイズ機で画面の最周辺部まで一切の破壌が見られないレンズはそれほど多くはない。

絞り開放から非常に優秀だが、絞るとさらに完璧な描写になる。35mmフルサイズ機で画面の最周辺部まで一切の破壌が見られないレンズはそれほど多くはない。

◎焦点距離:45mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/500秒 ISO感度:100
-1.3補正 (フルサイズカメラで撮影)

 

杉本 利彦さんご使用のレンズについて詳しくは、
SP 35mm & SP 45mm F/1.8 Di VC USD (Model F012 / F013) 製品ページ:

http://www.tamron.jp/product/lenses/f012_f013.html

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