TAMRON LENS BLOG

人気カメラ雑誌である「CAPA」編集部から電話が鳴った。
依頼の内容はタムロン社から発売になった大口径超広角レンズの
インプレッションを5日ほどで仕上げてもらえないかと言う内容だった。
CAPA誌 2015年7月号に記事掲載
制作時間はタイトだが何より僕の作風を理解しての依頼に頬が緩んだ。
広角系のレンズは、最近話題の歪まない超高級レンズから始まって開放F値の明るいものまで、
撮影状況に合わせて変えて撮影している僕にとって、
タムロンSP 15-30mm F/2.8 Di VC USDはとても興味深いレンズであったからなおさらである。

翌日宅急便にてレンズが届いた。箱を開けて最初に思ったのは「レンズ間違えて送ってきてるよ」だった。
丁寧に梱包されたレンズは広角レンズのイメージより遙かに大きく重たかったからだ。
一応梱包を解きレンズ名を確認した。
編集者がレンズを間違えて送るはずがない、心の何処かでそう思っていたのだ(笑)
早速EOS 5D Mark Ⅲに装着。単体で持ったときには感じた質量はなく、ボディーとのバランスが絶妙だ。
これくらいの重量があることでブレを中和する事が出来る印象だ。しかもVCの性能も上がっていると言う。
これは是非我が故郷の霜月祭の撮影に使ってみたいと思った。しかし、祭は12月。
レンズ返却は原稿を書き終えるまでにと期限がある。
どうにかしてくれるかどうかはタムロン敏腕広報マンのA氏の腕の見せ所と言ったところだろうか(笑)

僕ら写真家は何時も撮影に出ているイメージがあるかもしれないが、昨日今日の依頼で直ぐに撮影には出られない。
他の仕事もあるので出発は翌日の早朝からとなった。残り撮影時間がこれで4日となる。
困ったときの撮影場所は昔アルバイトをしていた北八ヶ岳の白駒池方面。
5月から6月に掛けて芽吹きが綺麗で、もしかしたら早咲きのツツジに出会えるかも?と思いを馳せた。
思惑はドンピシャで当たり、シダの原っぱやツツジの群落、水量の多い渓谷に出逢うことが出来た。
このレンズとの相性も良さそうである。

 

_P0A1559@HATA

◎焦点距離:18mm、EOS 5D Mark Ⅲ、撮影モード:絞り優先、絞り:F/8、シャッタースピード:1/100秒、
ISO 100

 

_P0A1721@HATA

◎焦点距離:15mm、EOS 5D Mark Ⅲ、撮影モード:絞り優先、絞り:F/8、シャッタースピード:1/15秒、
ISO 200、露出補正:+0.7

 

_P0A1645@HATA

◎焦点距離:24mm、EOS 5D Mark Ⅲ、撮影モード:絞り優先、絞り:F/22、シャッタースピード:1/4秒、
ISO 200、露出補正:+1

 

_P0A1648@HATA

◎焦点距離:28mm、EOS 5D Mark Ⅲ、撮影モード:絞り優先、絞り:F/7.1、シャッタースピード:1/500秒、
ISO 800、露出補正:+0.3

 

前玉が大きくPLフィルターが使えないが、
デジタル時代になってPLの使用頻度は下がっているので気にはならなかった。
AFも速くMF時のピントの山も掴みやすい。やはりF2.8の威力はここにある訳だ。
広角レンズ故に明るいレンズだからと言って簡単にボケが出る訳ではないが、
セオリー通りに被写体に近づき背景の距離を考えると綺麗なボケが現れた。これはイケる!
最短撮影距離28cmと開放F2.8は、ボケを活かす為に最高のスペックである。
星の撮影をと思っていたが天候は夕方から雨。夕景朝日の撮影も出来ず翌日帰路に付いた。

 

_P0A1586@HATA

◎焦点距離:30mm、EOS 5D Mark Ⅲ、撮影モード:絞り優先、絞り:F/2.8、シャッタースピード:1/1000秒、
ISO 400、露出補正:+1.3

 

_P0A1639@HATA

◎焦点距離:15mm、EOS 5D Mark Ⅲ、撮影モード:絞り優先、絞り:F/8、シャッタースピード:1/2秒、
ISO 200、露出補正:+1.7

 

_P0A1654@HATA

◎焦点距離:15mm、EOS 5D Mark Ⅲ、撮影モード:絞り優先、絞り:F/22、シャッタースピード:1/4秒、
ISO 200

 

_P0A1642@HATA

◎焦点距離:16mm、EOS 5D Mark Ⅲ、撮影モード:絞り優先、絞り:F/16、シャッタースピード:1/6秒、
ISO 200、露出補正:+0.3

 

1日取材時間に余裕が出来たので家族と江ノ島へ出かけた。
原稿を書き始めても良かったのだが、家族が居る日に自宅に僕が居る時は年に数回。
今後の平和な日々の為に「江ノ島でも行こうか!」と僕から提案したのだ。
所謂家族サービスと言うやつだが、この数日間だけの相棒を肩からぶら下げ出発した。
広角レンズを活かせるシチュエーションを探り当てるのは片手間では中々難し。
特に24mmを越える焦点距離になると、肉眼では認識しにくい画角がファインダーに飛び込んでくるので、
シャッターを切る時に「良い感じ」と思っていても実際は駄作しか撮影出来ない。
そんな中、我が家のチビが砂浜で足を大きく上げて遊び出したので1枚パシャリ。
大きなガラス玉が付いているにもかかわらず、このAFの速さ。とても大満足な仕上がりを感じたレンズである。

 

_P0A1185@HATA

◎焦点距離:17mm、EOS 5D Mark Ⅲ、撮影モード:絞り優先、絞り:F/2.8、シャッタースピード:1/1000秒、
ISO 200、露出補正:+1.3

 

Profile

秦 達夫秦 達夫(はた・たつお)

1970年長野県生まれ。自動車販売会社退職後、バイクショップに勤務。後に家業を継ぐ為に写真の勉強を始めるが写真に自分の可能性を見出し写真家になる。写真家竹内敏信氏のアシスタントを経て独立。故郷の湯立神楽「霜月祭」を16年間取材した『あらびるでな』で第八回藤本四八写真賞受賞。同タイトル写真集を2014年12月に出版(信濃毎日新聞社)。『山岳島_屋久島』写真集(日本写真企画)。小説家・新田次郎氏著『孤高の人』の加藤文太郎や『アラスカ物語』のフランク安田に憧れている。日本写真家協会会員、日本写真協会会員。

 

秦 達夫さんご使用のレンズについて詳しくは、
SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (Model A012) スペシャルサイト:

http://www.tamron.co.jp/lineup/a012/index.html

 

 

「CAPA」誌、2015年7月号(6月20日発売)にて、秦さんのSP15-30mmインプレッションが掲載されました。
学研パブリッシングホームページのCAPAカメラネットにて、
「CAPA」誌についての最新情報やバックナンバーのご案内がご覧いただけます。

CAPAカメラネットについてはこちら http://capacamera.net/
「CAPA」誌についてはこちら http://capacamera.net/capa/

 

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