TAMRON LENS BLOG

85mmといえばポートレートでは標準とも言われる焦点距離。
人物との距離を適度にたもつことができるからだ。
SP 85mmは開放F値F/1.8と明るく、遠近感が極端に圧縮されることなしに背景をボカした表現ができる。
これが微妙な立体感を作りだし、ポートレートでは強い武器になってくれることは間違いない。
ではポートレート専用レンズかと言えば、もちろんそんなことはない。
どんなジャンルの撮影であっても良いレンズは良いレンズなのだ。

私には85mmの焦点距離は好きな画角の一つで、昔からスナップや自然撮影の際にも持ち出している。
スナップと言えば50mm標準から広角側のレンズが使われるケースが多いが、私はあえて85mmを持ち出す。
これは誰にでも当てはまる定説とはいえないが、
私の場合、両目でどこかを注視したときの視野が85mmの画角に近く、
「あっ」と何かを見つけたときの心で見ている視野をそのままフレーミングできるのがこの85mmなのだ。
それは100mmでは長すぎ、70mmでは短い。絶妙な焦点距離なのだ。
しかもSP 85mmの手ブレ防止機構は強力で、スナップでも強い味方になってくれる。
自然撮影ではSP 90mmマクロのような本格的な接写はできないが、
被写体が小さくなければ背景を大きくボカして被写体を浮き立たせた撮影が可能だ。

ここに掲載した作例はRAWで撮影しているが、レンズ補正の機能は一切使用していない。
作品として仕上げる場合はPhotoshopやSYLKYPIXを使用し、
プロファイルを利用したレンズ収差補正機能を使うこともあるが、
SP 85mmは色収差等もきわめて良く抑えられていて素のままでも十分にきれいだ。
またここのすべてのカットが手持ち撮影だ。

 

01-4062

ショーウィンドウの中のひょっとこにピントを合わせ、ガラスに映り込んだ通行人を写し込んだもの。
通行人の写り方を気にしながらタイミングを計ってシャッターを切っている。
開放絞りでも十分なシャープネスがあり、また映り込みの挙差のあるところは適度にぼかすことができている。

◎焦点距離:85mm 絞り:F/1.8 シャッタースピード:1/320秒 ISO:200

 

02-3989

銀座に最近できた新しい建物。その独特な風貌を見ると誰でもレンズを向けたくなるだろう。
そのときの「あれイイ!」と思ってレンズを向けた時に、そのポイントを切り撮ってくれる画角。
それが85mmという焦点距離だ。
折り重なるガラスフレームと反射、明暗の微妙な濃淡が私の目を引いたが、そのポイントだけを切りとっている。

◎焦点距離:85mm 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/50秒 ISO:400

 

03-4083

スナップでの人物撮影であまり長いレンズを使うと盗み撮りのようなイメージになる事が多いが、
85mmくらいだと、適度な距離感、遠近感で被写体を浮き立たせながら撮ることができる。
実像のシャープな世界と映り込みのエッジのボケた世界が凝縮された部分だけを切り撮り、モノクロで表現してみた。
SP 85mmは階調再現も良く、人物の黒い服の深み、肌の微妙なトーン、
映り込んだ明るい部分の微妙なハイライトトーンと、モノクロにも楽しいレンズだ。

◎焦点距離:85mm 絞り:F/1.8 シャッタースピード:1/200秒 ISO:100

 

04-4050

SP 85mmは解像感も高く、5000万画素オーバーのカメラでもシャープな像を見せてくれる。
質感をある程度見せるために絞りをF/5.6まで絞りモノクロで表現。
かなりの樹齢となり傷んだ木の幹の質感をトーンをしっかり再現しており、
またいたずらで傷つけられた部分までもシャープに描いている。
スナップ的に写しているので手持ちで1/50秒という低速なシャッター速度だが、しっかりシャープに。
手ブレ防止機構サマサマである。

◎焦点距離:85mm 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/50秒 ISO:100

 

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なんでもボカせばよいというわけではないが、ボケは主題を強調してくれる便利なテクだ。
SP 85mmのボケは大きく美しい。
しかも大きくボケた部分とピントが合っている部分のつながりが良く、とてもナチュラルに描写してくれる。
とはいえボケのおかげで合焦ポイントは浮き立つ。この微妙な立体感がSP 85mmの大きな魅力の1つだ。

◎焦点距離:85mm 絞り:F/1.8 シャッタースピード:1/100秒 ISO:100

 

06-3880

オレンジ色に近いキバナコスモスの花から花へ、これまたオレンジ色の蝶が飛び回っていた。
両方の色が似過ぎているし、離れて撮ると沢山の花が画面に入りすぎてゴチャつくため普通なら避けるところだ。
F/1.8の開放ならピントを合わせた蝶をしっかり浮き立たせてくれ、
しかも周りに沢山の色のボケを入れることもできた。
これももちろん手持ち。ピントはMFに切り替えて、最短撮影距離にセットして体を前後させて微妙なピント合わせを行っている。

◎焦点距離:85mm 絞り:F/1.8 シャッタースピード:1/2000秒 ISO:100

 

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SP 85mmの大きな魅力の1つは大きく綺麗なボケだ。
少し飛び出した位置にある花の花心にピントを合わせ、手前と奥にボケた花を、
背景には被写体が浮き立つ暗い背景を選び、なおかつ木漏れ日が丸くボケるように配置。
こういうシンプルな構成で絵にしやすいレンズといえる。

◎焦点距離:85mm 絞り:F/1.8 シャッタースピード:1/800秒 ISO:200

 

Profile

諏訪 光二(すわ・こうじ)

1968年東京生まれ。日本大学芸術学部写真学科中退。各種写真教室講師。京都造形芸術大学講師。G-Technologyアンバサダー。EIZO ColorEdge グローバルアンバサダー。SAMURAI FOTO会員。

 

 

諏訪光二さんご使用のレンズについて詳しくは、
SP 85mm F/1.8 Di VC USD(Model F016)製品ページ:
http://www.tamron.jp/product/lenses/f016.html

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眼で見たような自然な風景描写。
このレンズの魅力的なポイントはいくつもあるが、まずはその明るい開放F値でのボケの美しさだ。
ナチュラルでクセのないボケで非常に扱いやすい。
F/1.8は標準クラスとしては特別に明るいクラスではないが、私にしてみればここまでボケれば十分で、
これ以上のボケはどうでもいい(笑)。

もちろん、より大きなボケが必要な人もいるかもしれないが、そういう人は実際にはそれほど多くはないはずだ。
このボケはズームレンズではなかなか味わえないもの。
ズームレンズしか使ったことがない人は、ぜひこのレンズから単焦点をはじめてみるといい。

手ブレ補正も大きな魅力だ。5000万画素を越える機種での撮影となると、ブレがかなり目立つ。
そういう意味では手ブレ補正は大きな魅力。
しっかり撮る時には三脚を使用するが、ちょっと見かけたものを撮るなどといった時には、
この機能があるとないとでは安心感も、そして結果も大違いなのだ。

そして私が最もこのレンズの大きな魅力と感じるのは、最短撮影距離の短さ。
APS-Cサイズ素子の機種ならマクロレンズ的な撮り方もでき、かなり重宝する。
しかも画質も高い。自然を撮りに行く時には荷物量からズーム主体になることが多いが、
こういうレンズをバッグに入れておくだけで表現の幅がぐっと広がるはずだ。

 

標準レンズなのにぐっと寄れる。フルサイズでもマクロレンズのように撮れる!

標準レンズなのにぐっと寄れる。フルサイズでもマクロレンズのように撮れる!

◎焦点距離:45mm 絞り:F/1.8 シャッタースピード:1/2500秒 ISO感度:100
絞り優先AE +2/3補正(手持ち)(フルサイズカメラで撮影)

 

普通なら三脚を使うシーンだが、手持ちで撮ってみたら手ブレ補正機構がしっかり抑えてくれた。

普通なら三脚を使うシーンだが、手持ちで撮ってみたら手ブレ補正機構がしっかり抑えてくれた。

◎焦点距離:45mm 絞り:F/11 シャッタースピード:1/15秒 ISO感度:100
絞り優先AE -1 2/3補正(手持ち)(フルサイズカメラで撮影)

 

近接時の画質も高く、こういったシーンもそつなくこなす。階調再現も良い。

近接時の画質も高く、こういったシーンもそつなくこなす。階調再現も良い。

◎焦点距離:45mm 絞り:F/11 シャッタースピード:1/2秒 ISO感度:100
絞り優先AE +2/3補正(三脚)(フルサイズカメラで撮影)

 

フルサイズ機でもここまで寄れ、APS-C機やフルサイズでもクロップを使えば十分にネイチャーできる。

フルサイズ機でもここまで寄れ、APS-C機やフルサイズでもクロップを使えば十分にネイチャーできる。

◎焦点距離:45mm 絞り:F/1.8 シャッタースピード:1/2500秒 ISO感度:100
絞り優先AE +1.7補正(手持ち)(フルサイズカメラで撮影)

 

遠景も非常にシャープ。高画素機では岩肌や低木の枝の一本一本までしっかり解像している。

遠景も非常にシャープ。高画素機では岩肌や低木の枝の一本一本までしっかり解像している。

◎焦点距離:45mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/200秒 ISO感度:100
絞り優先AE +1補正(三脚)(フルサイズカメラで撮影)

 

階調再現も良く、アンダー目にギリギリを狙ったカットではハイライトからシャドーまで丁寧な再現をしている。

階調再現も良く、アンダー目にギリギリを狙ったカットではハイライトからシャドーまで丁寧な再現をしている。

◎焦点距離:45mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/2000秒 ISO感度:100
絞り優先AE ‐0.7補正(手持ち)(フルサイズカメラで撮影)

 

諏訪光二さんご使用のレンズについて詳しくは、
SP 35mm & SP 45mm F/1.8 Di VC USD (Model F012 / F013) 製品ページ:

http://www.tamron.co.jp/lineup/f012_f013/

 

諏訪光二さんはCP+2016のタムロンステージにご出演されます。
「タムロンCP+2016特設サイト」にて、ステージスケジュールなどの詳細がご覧いただけます。

http://www.tamron.co.jp/special/cpplus2016/

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私は50mm前後のいわゆる標準レンズが好きだ。
一般によく言われることだが標準レンズは絞りを絞れば広角レンズ風に、絞りを開ければ望遠レンズ風に撮れる。
もちろんそういう表現の広さが使いこなしを難しくもしているのだが、それが標準レンズのおもしろさでもある。

さて、このSP 45mm F/1.8 VCは、標準とされる50mmよりわずかにワイド寄り。
このわずか5mmが、いい意味で構図や空間に微妙な「ユルさ」を生み出してくれる。
それが顕著に感じられるのが1:1のスクエアフォーマットで撮影した時だ。

50mmレンズでスクエアに撮ると遠近感の差とわずかな写りの違いから構図がタイトになりすぎるのだが、
45mmではそれがない。
もちろん通常の2:3などのフォーマットでもその余裕は健在だ。
そして解放F値の明るさが浅い被写界深度を生み出し、独特な描写をしてくれる。
そうした、他とはちょっと違う特徴とメリットを持ち、
ジャンルを問わず楽しめるのがこのレンズの魅力とも言えるだろう。

 

標準レンズはまるでその場で見ているかのような自然な描写が魅力。

標準レンズはまるでその場で見ているかのような自然な描写が魅力。

◎焦点距離:45mm 絞り:F/11 シャッタースピード:1/13秒 ISO感度:100
絞り優先AE(三脚)(フルサイズカメラで撮影)

 

スクエアで撮ると45mmはタイトすぎず使いやすい。風景に限らずスナップでも、だ。

スクエアで撮ると45mmはタイトすぎず使いやすい。風景に限らずスナップでも、だ。

◎焦点距離:45mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/320秒 ISO感度:100
絞り優先AE(手持ち)(フルサイズカメラで撮影)

 

絞りを開ければ、遠近感が変わるわけではないが望遠で撮ったような効果が得られる。

絞りを開ければ、遠近感が変わるわけではないが望遠で撮ったような効果が得られる。

◎焦点距離:45mm 絞り:F/1.8 シャッタースピード:1/640秒 ISO感度:200
絞り優先AE(手持ち)(フルサイズカメラで撮影)

 

ちょっと角度をつけて少し絞るだけで広角レンズっぽい写りも楽しめる。

ちょっと角度をつけて少し絞るだけで広角レンズっぽい写りも楽しめる。

◎焦点距離:45mm 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/400秒 ISO感度:100
絞り優先AE(手持ち)(フルサイズカメラで撮影)

 

諏訪光二さんご使用のレンズについて詳しくは、
SP 35mm & SP 45mm F/1.8 Di VC USD (Model F012 / F013)スペシャルサイト:

http://www.tamron.co.jp/lineup/f012_f013/