TAMRON LENS BLOG

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はい。阿部秀之です!
2回目では、カメラアングルとパースペクティブ(遠近感)の話をしましょう。
超広角の広い画角に慣れてくると、最初の頃に感じた大海に放り出された小舟に乗っているような気持はどこへやら、
サクッとフレーミングができるようになります。しかし、ここに大きな落とし穴があるのです。

気がつくとカメラを振り上げたり振り下げたり、
もっと写真的な言い方をすると、カメラを上や下にあおったアングルで撮影していませんか。
超広角が使えるようになったと思っている人の多くが、こうやって撮っているのです。
うーん、残念!これではダメです。超広角を使いこなせてはいないのです。

 

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いかにも超広角で撮りました、という写真です。こんな撮り方をしている人が多いですね。
でも、これではダメです。

◎焦点距離:23mm 絞り:f/5.6 シャッタースピード:1/640秒 ISO感度:100

 

パースペクティブは、天地(上下)ではなく、奥へつけなければならないのです。
これは写真を見てもらったほうが早いですね。昨年のクリスマスにビルの中の巨大なツリーを撮りました。
1階から見上げるように振り上げたアングルでねらうと、柱が歪み広い空間が覆いかぶさるように感じられます。
パースペクティブは、天に向かってついています。
ダイナミックな感じがするのか、この写り方を超広角だと思う人が多いようです。

 

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見上げるように振り上げたアングルでねらうとパースペクティブは上につきます。
柱が歪み広い空間が覆いかぶさるように感じられるのが超広角らしいと思う人が多いようです。

◎焦点距離:15mm 絞り:f/2.8 シャッタースピード:1/100秒 露出補正:+0.3 ISO感度:200

 

3階に上がってねらってみましょう。カメラを振り上げずに水平のアングルでもきっちりフレーミングできます。
柱がまっすぐで美しいです。パースペクティブは、奥に向かってついています。どうですか。
これが本当の超広角の写し方なのです。これは建物に限りません。基本を覚えると写真の腕前はグーンとアップします。

 

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パースペクティブを奥につけるとは、この描写のことです。
建物の柱は歪んでいませんが、ダイナミックな感じがしますね。

◎焦点距離:19mm 絞り:f/2.8 シャッタースピード:1/50秒 露出補正:+0.3 ISO感度:200

 

高さのあるものを写すときは、少しでも高いところに上がって水平を保ちます。これが超広角を使う基本です。
もう1シーンご覧ください。大阪市中央公会堂です。
装飾が美しいホールですが、天井まで入れようと振り上げたアングルだと柱が歪んでしまいます。
自分の背丈からのアイレベルではシャンデリアが切れてします。
このときはカメラを一脚に取り付け、水平を保ったまま持ち上げて撮影しました。
頑張った甲斐があって柱を歪めずにパースペクティブを奥へつけた状態で、シャンデリアまで写すことができました。

 

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<振り上げたアングル>

 

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<アイレベル>

 

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<一脚を使用して水平だが高い位置>

みなさんもうわかりますね。超広角を使うときは、被写体の高さに合わせることが大切なのです。
どうしてもちょっとだけカメラを振り上げたり振り下げないとならないこともあります。
しかし、それは最小限に留めておきます。

◎焦点距離:15mm 絞り:f/4 シャッタースピード:1/15秒 露出補正:+0.7 ISO感度:280

 

Profile

阿部秀之

阿部秀之(あべ・ひでゆき)

東京生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。タムロン宣伝課を経て、86年よりフリー。ヨーロッパの風景、コマーシャルなど、幅広いジャンルを撮影。フリーになると同時にカメラ専門誌にも執筆をはじめる。
カメラグランプリ選考委員を87年より歴任。

 

阿部秀之氏が解説するレンズ、SP 15-30mm F/2.8 Di VC USDの製品スペシャルサイト
http://www.tamron.co.jp/lineup/a012/index.html

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