TAMRON LENS BLOG

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前回お伝えした、戦闘機などが轟音とともに見せる迫力の飛行シーンがある一方、
民間飛行場で日常的に見ることのできる通常運航の中で、そのメカニカルな表情や、
旅情を感じられるようなシーンを情景的に表現してみてはいかがだろうか。
飛行機が金属の塊であることがわかるような形状をクローズアップで切り取って、その迫力に迫ってみたり、
頭上に広がる大きな空の表情や、遠くの山並みに飛び行く飛行機を重ね合わせてみることだ。

 

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日の入り直前の西日が離陸する777-300型機の表面に注ぐ。
機体、車輪、エンジン、それぞれの詳細が判るような滑走路脇から見上げるアングルで撮影に臨む。
昼間では陽のあたらない箇所を狙えるこの時間ならではの写真だ。大阪空港周辺。

◎焦点距離:600mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/400秒 露出補正:-1.7 ISO感度:100 シャッター優先オート 晴天

 

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たなびく雲を背景に離陸上昇する777-300型機。左旋回を開始し機体に反射する夕陽が輝く。
左翼が下がり右翼が持ち上がり表情がさらに増した。大阪空港周辺。

◎焦点距離:600mm 絞り:F/10 シャッタースピード:1/500秒 露出補正:-2.0 ISO感度:100 シャッター優先オート 晴天

 

600mmの超望遠ともなると、空港ターミナルや飛行場近くまで行けば、
大型旅客機が画面からはみ出すアップのシーンを簡単に捕らえることが出来るだろう。
だが、ここで気を使いたいのは光線の当り具合だ。
昼間の時間帯はたっぷりの光量があるので、露出の面では比較的撮影し易い状況だが、
飛行機の上面にしか太陽光が当らず、表情が幾分乏しくなる。
そこで機体に斜光の当る、日の出直後や日の入り直前の時間帯で臨んでみよう。
昼間では判りにくかった機体形状や素材感もハッキリと写し出すことが出来る。

 

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沈み行く太陽を背景に福岡空港の滑走路を目指しアプローチする737-400型機。
太陽が画面内に入る写真の場合、太陽から少し離れた空に露出を合わせるといい結果が現れることが多いが、
遮る霞の存在などでも露出に相違が出るためややアンダーめに撮っておく。
オーバーになった場合は機体が太陽に溶け込むことがあるので注意しよう。福岡空港周辺。

◎焦点距離:600mm(900mm相当) 絞り:F/7.1 シャッタースピード:1/640秒 ISO感度:200 マニュアル WB:晴天

 

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日の入り後、山の稜線が映えるころ羽田空港に侵入する737-800型機。
飛行機までおよそ15Km離れたところからの撮影だが、超望遠レンズならではの引き付け効果で
100Km離れた山並みの上に重ねた。

◎焦点距離:600mm(900mm相当) 絞り:F/8 シャッタースピード:1/640秒 露出補正:-1.0 ISO感度:200 シャッター優先オート WB:晴天

 

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満月が出るとわかっていれば、その方向に飛行コースが重なる場所をおおよその予測で訪れてみる。
あとは運任せの撮影となるが、諦めずに何度も臨めば撮れるはず…。
月の表情も露出がオーバーすると見えなくなるので、予めのテスト撮影で露出を決めておこう。
福岡市内から撮影。

◎焦点距離:600mm(900mm相当) 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/160秒 ISO感度:4000 マニュアル WB:晴天

 

超望遠の世界は、遥か遠くを飛行する航空機も捕らえることもできる。
もちろんその時の天候に左右されるので、出かける前に天気予報のチェックは欠かせない。
好天の大きな空を背景にする場合も、積乱雲などの見栄えのある雲が出ていれば昼間の撮影がベストだが、
季節も限られるのでなかなか難しい。
こんなときも朝や夕暮れに映える橙色の空や、そこにたなびく雲を用いれば豊かな表情を出すことができるだろう。
また、真昼間では明るすぎてそのままでは撮れない太陽の持つエネルギーを写し込むのも魅力的だ。
インターネットサイトを参考に日の出日の入りの時間を調べ、風向きによる飛行コースも前もって調べておこう。
飛行場の撮影ポイントも、インターネット上で先人たちがガイドしていることが多いので、それらのチェックも有効だ。

 

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雲の谷間から覗く青空を背景に離陸する767-300型機。
昼間の時間は青空と雲とのコントラストを表情として背景に写り込むアングルを探そう。大阪空港周辺。

◎焦点距離:210mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/2000秒 露出補正:-1.3 ISO感度:100 シャッター優先オート 晴天

 

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ノーズや翼下のエンジンやパイロンに夕方の斜光を受けるE170型機。
全長30mほどの小型の機体ながら、APS-Cサイズカメラでの撮影でここまでアップにすることができる。
羽田空港周辺・城南島。

◎焦点距離:600mm(900mm相当) 絞り:F/7.1 シャッタースピード:1/800秒 露出補正:-2.7 ISO感度:100 シャッター優先オート WB:晴天

 

撮影に出かける時間も限られるだけでなく、1回や2回足を運んだところで満足の行く写真が撮れるとも限らない。
ただ、足繁く通いご自身なりの方法や効率を得られてくると、おのずと結果に現れるだろう。
とにかく回数をこなす覚悟で、このA011とともに臨んで!

 

<参考>
各地の日の出日の入りや、方角も判る「国立天文台」のホームページ
http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/

リアルタイムで民間飛行機の飛行コースが判る「Flightradar24」のホームページ。
http://www.flightradar24.com/

 

Profile

井上六郎(いのうえ・ろくろう) 1971年東京生まれ。スタジオマン、個人写真家アシスタントを経て、出版社の社員カメラマンとして自転車、モーターサイクルシーンなどを撮影する。その後は出版社を退社しフリーランスに。以後、国内外の自転車、モーターサイクルメーカーやスポーツアパレルメーカーの広告や各一般雑誌、専門誌等で撮影活動中。また、国内外のマラソンなどスポーツイベントの公式記録カメラマンを務める。
自転車レース、ツール・ド・フランスの写真集「マイヨ・ジョーヌ」を講談社から、航空機・ボーイング747型機の写真集「747 ジャンボジェット 最後の日々」を文林堂から上梓。日本写真家協会、日本スポーツプレス協会、国際スポーツプレス協会会員。

アスリートの躍動を描写した作品を、TAMRON「障害者アスリート応援サイト」でご覧いただけます。
http://www.tamron.co.jp/special/athlete/gallery.html

 

井上六郎さんご使用のレンズについて詳しくは、
SP 150-600mmスペシャルサイト:http://www.tamron.co.jp/lineup/a011/index.html

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