メルカリが2025年7月3日をもって「タイムセール機能」を終了することを発表しました。
この機能は、出品者が一時的に商品を割引価格で販売できる販促機能として注目されていましたが、突然の終了に驚いた方も多いのではないでしょうか。
特に、通知機能を活用して「いいね！」したユーザーにセール開始を知らせる仕組みなど、うまく使えば売上アップに貢献する便利な機能でした。
それでも終了を選んだ背景には、いくつかの課題やユーザー側の声が影響しているようです。
今回は、なぜタイムセール機能が終了するのか、メルカリ側の動きや利用者の傾向から、その理由を考察していきます。
タイムセール機能とは？
タイムセール機能は、出品者が設定した一定の時間内だけ、商品価格を割引して販売できるシステムです。
割引率は10％や20％など自由に設定でき、視覚的にも「○％OFF」とラベルが表示されるため、購入者の購買意欲を刺激しやすい仕組みでした。
また、気になる商品に「いいね！」をしていたユーザーには、セール開始時に通知が届くため、タイミングよく購入してもらえる可能性も高まる機能でした。
このような特性から、出品者にとっては売れ残り在庫を効率的にさばくための手段としても重宝されていたのです。
終了の理由①：買い控えの原因になっていた？
まず、購入者側の行動として「タイムセールが来るまで待つ」というケースが増えていた点が挙げられます。
セール対象になっていない商品でも、ユーザーが「いずれ安くなるかもしれない」と思って購入を控えるようになり、通常価格での販売が鈍化する傾向が見られていました。
こうした買い控えが全体の売上に影響し、結果としてタイムセール機能が逆効果になっていた可能性があります。
メルカリ運営としても、こうした副作用を懸念していたのかもしれません。
終了の理由②：一部の出品者による不正利用
さらに問題視されていたのが、「見せかけの割引」による不正的な使い方です。
具体的には、通常価格を一時的に値上げし、その後タイムセールで“割引”を装って通常価格に戻すような手法です。
このようなやり方は本来のセールの趣旨と外れており、購入者の信頼を損なうことにもつながります。
結果的に「タイムセール＝信用できない」という印象を与えてしまい、機能そのものの価値が下がっていたとも考えられます。
終了の理由③：利用率が低下していた？
加えて、最近はそもそもタイムセール機能を使う出品者が減っていたという見方もあります。
通知対象が「いいね！」したユーザーに限られているため、多くの人に届かないこともあり、活用の幅が狭かったのかもしれません。
また、セールの設定やタイミング調整がやや面倒と感じる出品者もいたようです。
「ラクに売れる」がウリのメルカリにおいて、手間がかかる機能は敬遠されがちです。
今後はどうなる？代わりの販売戦略は？
タイムセール機能の終了後、メルカリでは新たな販促機能や販売方法が導入される可能性があります。
すでに「オークション形式の販売」や「まとめ売り機能」などが注目されており、今後はこういった新しい仕組みが主流になるかもしれません。
また、「プロモーション設定」や「クーポン機能」など、より多くのユーザーにアプローチできる機能への注力が進むことも予想されます。
出品者としては、これらの機能をいち早く活用して、売上アップを目指す戦略が重要になるでしょう。
おわりに
タイムセール機能は、上手に活用すれば販売促進に役立つ便利な機能でした。
しかし、その反面で「買い控え」や「見せかけの割引」など、ユーザー体験を損ねるリスクも抱えていました。
利用者の行動や市場の変化に応じて、メルカリもサービスを柔軟に見直している印象です。
今後は、よりシンプルで効果的な販売機能の提供が期待されます。
出品者も購入者も、こうした変化を前向きに受け止めて、新しい機能をうまく取り入れていくことが求められるでしょう。
メルカリの動きは、フリマアプリ全体のトレンドを映す鏡でもあります。今後の展開にも注目していきたいですね。
