『イカゲーム3』は“ファイナルシーズン”として配信されましたが、最終話を観終えた多くの視聴者が「本当に終わったのか?」と疑問を抱いています。
主人公ギフンの戦いは完結せず、アメリカの街角で謎の“めんこ勝負”が描かれるなど、ラストはあえて余白を残すような演出に。
物語の核心であるゲーム運営の全貌やフロントマンの後継問題も明かされないまま、次なる展開を予感させる構成となっています。
本記事では、そんなモヤモヤの残るラストシーンを手がかりに、続編やスピンオフの可能性について徹底考察していきます。
『イカゲーム3』衝撃のラスト──あのラストシーンは何を伝えたのか?
『イカゲーム3』の最終話、ラストで映し出されたワンシーンが視聴者の間で大きな波紋を呼んでいます。
場所はアメリカ。金髪の女性とホームレス風の男性が路上で「めんこ」のような遊びをしている様子が突然映し出され、「なぜ?」と首をかしげた方も多いでしょう。
この場面が暗示しているのは、「ゲームの終焉」ではなく、「新たな始まり」。
しかも舞台は韓国からアメリカへと移り、あの“死のゲーム”が国境を越えて広がっていることを示唆しています。
使用されていた遊びは、韓国の伝統ゲーム「タクチ」。これはシーズン1でギフンがスカウトされるきっかけになったゲームでもあり、まさに“イカゲームの入口”を象徴する存在です。
この構図がふたたび海外で繰り返されているということは、イカゲームがいまだ世界のどこかで続いていることを強烈に印象づける演出だと言えるでしょう。
ラストのめんこ勝負──未完ではなく“継続”を意味する演出
ギフンは最終話でゲームの根幹を潰そうと奔走しましたが、その試みは失敗に終わり、彼は再びフロントマンの手に落ちてしまいます。
この流れからも分かる通り、ゲームは終わっておらず、むしろ新たな段階へと進みつつあるのです。
「めんこ」の場面はシーズン1との明確なリンクであり、視聴者に「ゲームは終わらない」というメッセージを無言で突きつけています。
ただ、唐突な描写だったこともあり、SNS上では「意味不明」「伏線回収が雑」といった消化不良の声も目立ちました。
ですが見方を変えれば、あのシーンは“終わり”ではなく、“続いている世界”を想像させる意図的な演出だったとも受け取れます。
視聴者に「この先も物語は動いている」と思わせる、巧妙なラストだったのです。
新たな勧誘者?金髪の女性が担う“ゲームの案内人”の役割
注目すべき存在がもうひとつあります。ラストに登場した金髪の女性です。
この女性は、ホームレス風の男性に「タクチ」で勝負を持ちかけます。
これはシーズン1でスーツ姿の男(演:コン・ユ)がギフンにゲームを持ちかけた手口と極めて酷似しています。
「勝てばお金」「負ければビンタ」といったルールは描かれていないものの、あのときの“勧誘の構図”を彷彿とさせる演出です。
このことから、彼女もまた“スカウト役”であり、イカゲームの新たな勧誘員である可能性が高いと考えられます。
スーツの男から金髪の女性へ──勧誘スタイルの進化
これまでのシリーズでは、勧誘者といえば黒髪のスーツ姿の男というイメージが強くありました。
しかし今回は、全く異なるビジュアルの人物がその役割を担っています。
・性別が違う
・服装もカジュアル寄り
・雰囲気や立ち振る舞いも別物
これらの違いは、運営側が世界展開を視野に入れ、勧誘方法の多様化を図っていることを示しているのかもしれません。
あるいは、組織自体に何らかの変化が起き、新体制での動きが始まっている可能性もあります。
実際、X(旧Twitter)上では「まさか女性が勧誘役とは…」「運営の変化を感じる」といった驚きの声も多く投稿されています。
世界に広がる“死のゲーム”──続編への期待と不安
『イカゲーム3』のラストは、「これで終わり」ではなく、「まだ終わっていない」という含みを強く残して幕を閉じました。
視聴者の間で賛否が分かれるのも当然ですが、あの一幕には続編への強い布石が込められていたと考えるのが自然です。
「イカゲームは、今もどこかで続いている」
「次に巻き込まれるのは、あなたかもしれない」
そんなゾッとするような余韻を残しながら、物語は静かに次のフェーズへと動き出しているのです。
続編では、この“金髪の案内人”がどのような役割を果たすのか──目が離せません。
ラストの“めんこ勝負”はテーマの核心だった?
『イカゲーム3』のラストに登場する、アメリカの街角で繰り広げられる“タクチ(めんこ)”の一戦。
このシーンは、ただの「新章の幕開け」を告げるだけではないと考える視聴者も少なくありません。
むしろ、物語全体に通底するメッセージを凝縮した“象徴的なワンカット”だったのではないでしょうか。
シリーズを通して描かれてきたのは、単なる生き残りゲームではなく、「現代社会の縮図」。
借金、絶望、選択、そして搾取——そのすべてがこの“ゲーム”の中に組み込まれていました。
ラストシーンに込められた「現実社会の構造」
この物語が世界中の視聴者を惹きつけた理由は、スリルや残酷さだけではありません。
背後にある「資本主義社会の矛盾」や「構造的格差」への鋭いまなざしが、共感と衝撃を呼んだのです。
とくに注目したいのが、ラストで描かれる対戦の組み合わせです。
勧誘役と思しき金髪の女性
社会的弱者と見られるホームレスの男性
このコントラストは、シーズン1から一貫して描かれてきた“支配と被支配”の構造そのものであり、作品の象徴的モチーフとして強く機能しています。
舞台をアメリカに移した意味とは?
『イカゲーム』といえば韓国を舞台とした社会風刺が印象的でしたが、ラストでアメリカが登場したことには深い意味があります。
それは、「これは韓国だけの話ではない」というメッセージの強調。
社会の格差や搾取は、国境を越えて存在する。文化や人種が違っても、構造そのものは似ている——その現実を、ロケーションによって視覚的に示したのです。
アメリカという“資本主義の象徴的国家”で同じゲームが展開されている。
これは、「あなたの国でも同じことが起こっているかもしれない」と、視聴者に問いかけているとも解釈できます。
ゲームは“続いている”のではなく、“常に存在している”
ラストの“めんこ勝負”が視聴者に不安やモヤモヤを残したのは、「物語が終わらなかった」からではなく、「終わらせない」という意志を感じ取ったからかもしれません。
『イカゲーム』は、フィクションの枠を超えて現実社会とリンクする物語。
だからこそ、最後に提示されたのは「この問題は今もどこかで進行中だ」という、現在進行形の“問い”なのです。
ラストが語る、3つのキーワード:「搾取」「格差」「欲望」
あのシーンは、ただゲームが続いていることを示すための演出ではありませんでした。
弱者が支配構造の餌食になる搾取
絶望から抜け出す道が限られる格差
少しの希望と引き換えに命を賭ける欲望
この3つの要素は、『イカゲーム』という物語が一貫して描いてきた人間ドラマの核でもあります。
そして、アメリカの街角という何気ない風景にそのテーマを投影することで、「この問題はあらゆる場所に潜んでいる」と視聴者に静かに訴えかけているのです。
次回の展開を待つ前に──“なぜモヤモヤしたのか”を考える
次のセクションでは、視聴者がラストに感じた違和感や消化不良感の正体をひもといていきます。
それは、物語が“曖昧”だったからではなく、あえて“突き放すように”現実を突きつけてきたからかもしれません。
なぜモヤモヤが残るのか?『イカゲーム3』ラストが視聴者を悩ませた理由
『イカゲーム3』の最終回を見終えた多くの視聴者が抱いたのは、「スッキリしない」「結局どういう意味だったの?」という違和感でした。この感情には、物語の構造や演出が深く関係しています。
まず、大きな理由のひとつは伏線の未回収です。主人公ギフンはゲーム運営の解体を目指して奔走するものの、最終的には力及ばず制圧され、組織の存在が維持されたまま物語は終了します。
つまり、彼の挑戦は“完了”ではなく“中断”。
そのまま物語が締めくくられたことで、多くの視聴者が「途中で止まった印象」を受けたのです。
重要キャラ“ジュノ”の曖昧な処理が視聴者の不満に
もうひとつの大きな要因が、フロントマンの弟・ジュノの扱いです。
シリーズを通して鍵を握る存在とされ、視聴者の間でも「真相を暴く役割になるのでは」と期待されていました。
しかし、島を発見したものの決定的な活躍をすることなくフェードアウト。その“肩透かし感”に、SNSでは落胆の声が相次ぎました。
さらに混乱を招いたのが、ラストに挿入されたアメリカでの“めんこ(タクチ)”シーン。
登場人物の素性や背景が一切明かされず、物語の文脈とのつながりも語られないまま唐突に描かれたこの場面が、「何を意味しているのか分からない」と、視聴者の解釈を分断しました。
「すべてを語らない」演出──モヤモヤは製作陣の狙いだった?
こうした構成は、単なる“雑な終わり方”ではなく、意図的な余白として設計されている可能性があります。
物語のすべてを明かさず、あえて“謎”を残すことで、視聴者に考察と想像の余地を与える——
それが制作側の狙いだったと考えると、あのラストの違和感にも納得がいきます。
ただし、シリーズ最終章として配信されたにもかかわらず、きっちりとした完結が描かれなかったことに不満を覚えるのは当然です。
SNSでは「やっぱりシーズン1が一番完成度高かった」という声も目立ちます。
本当に“ファイナル”だったのか?まだ終わっていないという示唆
『イカゲーム3』は公式には「最終章」として発表されましたが、ラストの描き方を見る限り、本当に完結したとは言い切れません。
特に、アメリカの街角で新たな“タクチ”勝負が始まっていたシーンは、ゲーム運営が今も続いていることを強く暗示しています。
主人公ギフンも、自らの目的を達成できないまま物語を終えています。
さらに「フロントマンの後継者は誰なのか」「黒幕の正体は明かされたのか」など、シリーズの根幹に関わる謎は多くが未解決のままです。
これは、「物語が終わったようで、終わっていない」という印象を視聴者に与える大きな要因となっています。
あの曖昧なラストは“現実社会”そのものかもしれない
伏線をすべて回収せずに終える構成には、もうひとつの深い意味が隠されている可能性があります。
それは、『イカゲーム』が描いてきた「搾取の構造」や「終わりなき格差社会」は、現実世界でも決して簡単に終わらないということ。
つまり、ゲームが続いているように見えるのではなく、“ゲーム的な社会”が現実でも続いているというメッセージ。
その構造を壊すのがいかに困難かを、ラストの余白を通じて静かに提示しているのかもしれません。
続編への期待は高まるばかり
Netflixや制作陣から続編の正式発表はありませんが、SNSでは「イカゲーム:アメリカ編が来るのでは?」「今度は他の国が舞台かも」といった声があがっています。
『イカゲーム3』の結末が視聴者に投げかけているのは、物語の終わりではなく、「この社会のどこかで、またあのゲームが始まっているかもしれない」という問いなのです。
そう考えれば、あのモヤモヤもまた、『イカゲーム』という作品の本質なのかもしれません。
まとめ
『イカゲーム3』のラストは、“完結”ではなく“継続”を強くにおわせる演出が随所に散りばめられていました。
ギフンの未完の行動、フロントマンの行方、そしてアメリカでの新たなスカウトシーン──これらは「物語はまだ続く」というメッセージにも読み取れます。
Netflixが「最終章」とした一方で、視聴者の間では「続編があるのでは?」という期待が高まっています。
イカゲームという“現実と地続きの物語”は、世界のどこかでまだ続いているのかもしれません。