2025年のコロラド・ロッキーズは、MLB史上でも類を見ないほどの低迷を続けています。
開幕からわずか9勝50敗という記録的な不振で、ファンや専門家の間でも「なぜここまで弱いのか?」という疑問が渦巻いています。
投打ともに極端な不調が続き、主力選手の故障も相次ぐなど、チーム状況は深刻です。
本記事では、ロッキーズの低迷理由を投手力、打撃力、故障者、フロントの編成方針など多角的に分析し、2025年の現状を徹底解説します。
MLBやロッキーズの現状を知りたい野球ファンに向け、納得できる情報を具体的に提供します。
投手陣の崩壊とその背景
先発投手の壊滅的な成績
2025年のロッキーズは、先発投手陣がMLBワーストの防御率を記録しています。
主力のオースティン・ゴンバーやライアン・フェルトナー、チェイス・ドランダーらが相次いで故障離脱し、開幕ローテーションのうち3人を早々に欠く事態となりました。
代役の若手投手も結果を残せず、勝ち星がつかない試合が続出。
5月末時点で、先発投手の勝利数はわずか数勝にとどまり、奪三振数もリーグ最下位クラスです。
投手陣の層の薄さと故障者の多さが、失点増加と勝率低下の大きな要因となっています。
故障者続出による戦力ダウン
ロッキーズは2025年も主力の故障が相次いでいます。
投手陣ではゴンバー(肩)、フェルトナー(背中)、ドランダー(前腕)などがIL入りし、リリーフでもクリスウェル(トミー・ジョン手術)がシーズン全休。
野手でもエストラーダ(手首骨折)、トヴァー(股関節)、クリス・ブライアント(腰)らが長期離脱し、内野の主力や中軸打者を欠く試合が続いています。
選手層の薄さもあり、代役で起用された若手や控え選手が十分なパフォーマンスを発揮できず、チーム全体の競争力が著しく低下しました。
ブルペンの不安定さとリード守れない展開
先発だけでなく、ブルペンも安定感を欠いています。
リリーフ投手の防御率や被打率もリーグ下位に沈み、接戦でリードを守れず逆転負けを喫する試合が目立ちます。
特にクローザーやセットアッパーの固定ができず、勝ちパターンの継投が機能しません。
ブルペンの消耗も激しく、連戦や延長戦での失点が増加。
投手全体の起用法や戦力管理にも課題が残っています。
打撃陣の深刻な不振
MLB最下位の得点力とwRC+
ロッキーズの2025年打線は、平均得点3点台前半、wRC+(打撃貢献指数)はMLB最下位と極端な低迷ぶりを示しています。
OPS(出塁率+長打率)は.638でリーグ平均を大きく下回り、本塁打数もリーグワースト3位。
得点圏での勝負弱さや長打不足が目立ち、ランナーを返せない展開が続いています。
近年のロッキーズは打撃でカバーする傾向がありましたが、今季はその強みすら失われています。
指標上は悪くないが結果が出ない理由
興味深いのは、ロッキーズ打線のスイング指標や打球速度は2023~2024年よりむしろ改善傾向にある点です。
ゾーン外スイング率や平均打球速度、xwOBA(期待値ベースの出塁率)などは例年並みか向上しています。
しかし、実際の得点やwRC+は大幅に悪化。
これは運や打球の飛び所の悪さ、打線全体の連動性不足、コースフィールド特有の影響など複合的な要因が考えられます。
特に引っ張り方向のフライボール増加は理論上は長打増に繋がるはずですが、今季はその恩恵を受けられていません。
主力野手の離脱と若手の伸び悩み
打線の中核を担うべきクリス・ブライアントやエストラーダ、トヴァーら主力野手の離脱が響いています。
若手のジョーダン・ベックやハンター・グッドマンらも、期待されたほどの爆発力を発揮できていません。
ベテランのチャーリー・ブラックモン引退後、リーダーシップや勝負強さを担う選手が不在となり、打線の軸が定まらない状況です。
全体的に打線の厚みや破壊力が大きく損なわれています。
フロントの編成方針とチーム構造の課題
オフの主力流出と補強の不発
2024年オフにはチャーリー・ブラックモンの引退や、ブレンダン・ロジャース、カル・クアントリルら主力の放出が相次ぎました。
新戦力としてはオーウェン・ミラーやカイル・ファーマーらを獲得したものの、即戦力としてのインパクトは限定的。
若手育成と再建を掲げる一方で、即戦力補強とのバランスを欠き、ロースター全体の戦力ダウンを招いています。
監督交代と現場の混乱
2025年シーズン途中、9年目のバド・ブラック監督が解任されるなど、現場の指揮系統にも混乱が生じました。
新体制のもとで若手起用や戦術転換が進められているものの、短期間での劇的な改善は見られず、チーム全体の士気や一体感にも影響を及ぼしています。
育成・補強戦略の再考が急務
近年のロッキーズは自前育成路線を強調してきましたが、投打ともに主力の成長が停滞し、即戦力補強も不十分です。
特に投手陣の層の薄さや、野手の主力離脱時のバックアップ不足は深刻。
今後はドラフトやトレード、FA補強を含めた戦略の再構築が不可欠といえるでしょう。
まとめ
2025年のコロラド・ロッキーズが極端に低迷している理由は、投手陣の壊滅的な成績と故障者続出、打撃陣の深刻な不振、そしてフロントの編成方針やチーム構造の課題が複雑に絡み合っているためです。
主力選手の離脱や若手の伸び悩み、補強の不発が重なり、歴史的な敗戦ペースとなっています。
今後は選手層の強化や戦略の見直しが急務であり、ファンとしては再建への長い道のりを覚悟する必要があるでしょう。
ロッキーズの現状を正しく理解し、今後の動向を見守ることが、MLBファンにとっても重要なポイントとなります。