2025年5月17日、フジテレビ系列で生放送された「THE SECOND~漫才トーナメント~2025」グランプリファイナル。
結成16年以上のベテラン漫才師8組が頂点を目指す真剣勝負は、決勝戦でツートライブが囲碁将棋を僅差で下し、3代目王者に輝きました。
今回は、両コンビがぶつけ合った決勝ネタの構成や演出を詳しく振り返り、観客と審査員を魅了したポイントを徹底分析します。
優勝を決めた想定外のサドンデス
決勝の得点はツートライブ287点、囲碁将棋279点というまさに激戦。
ツートライブは後攻として「どえらいゴシップを仕入れた」という一言から幕を開け、約6分のネタ時間で観客の笑いを何度も取り、87人もの審査員から最高評価3点を獲得しました。
囲碁将棋も「モテる方法教えます」と宣言し、全く新しい漫才構成で笑いを重ねたものの、惜しくもあと8点届きませんでした 。
囲碁将棋「モテる方法」――欠点をオセロのように裏返す斬新さ
囲碁将棋が披露したのは、誰も見たことのない逆転構造の漫才。
冒頭で文田大介が「モテ方がわかった」と切り出し、根建太一がモテない要素――「お風呂に入らない」「気が利かない」「優しくない」などを次々に列挙します。
その後、“実は気が利く”“本当は優しい”といった形で欠点をオセロのようにひっくり返すユニークな展開が続き、最後に唯一覆らなかった「お風呂に入らない」が再び残る結末に拍手喝采。
細部まで計算された構成は爆笑と驚きを同時に生みましたが、観客の一部から「もっと爆発的な笑いが欲しかった」という声も聞かれました 。
ツートライブ「ゴシップ」――聞いたことのない噂を笑いに昇華
一方のツートライブは、自称「イキリ漫才」の真骨頂を発揮。
周平魂の「どえらいゴシップを仕入れた」という一言でスタートし、たかのりが架空の有名人ネタや裏話を次々に披露。
聞き手役の周平魂が「あの人って?」と問い返す度に、たかのりがさらに掘り下げ、最後には「実は全部作り話でした!」と種明かしするパターンを複数繰り返します。
聞いた瞬間は「本当か?」と興味をそそり、オチで裏切るテンポ感が冴え渡り、観客席は爆笑の渦に 。
審査員もSNSも大盛り上がり
決勝後の優勝記者会見では、周平魂が「まさか優勝できるとは…」と感極まりバンザイ。たかのりも涙をこぼしながら「次はM-1でもリベンジしたい」と意気込みを語りました。
Twitterでは「#ツートライブ優勝」がトレンド入りし、YouTubeの見逃し配信コメント欄には「モテる方法も面白かったけど、ゴシップが衝撃」「最後までハラハラした」という声が多数上がっています。
ベテラン漫才師たちの進化と多様性
THE SECONDは新人賞とは異なり、芸歴16年以上の漫才師が対象。
囲碁将棋の構成力と、ツートライブのサプライズ要素は、いずれも長年の経験があってこそ成せる技です。
今大会で3代目王者となったツートライブは、1回戦で過去最高295点を叩き出した「脱法ジビエ」ネタから勢いそのままに優勝を勝ち取りました 。
まとめ:進化し続けるベテランの底力
囲碁将棋の“欠点反転”構成と、ツートライブの“ゴシップ連打”構成は、いずれも漫才の新たな可能性を示しました。
わずか8点差の決着は、笑いの好みと審査基準の多様性を象徴する結果と言えるでしょう。
お笑いを点数をつけて評価する賞レースが過熱してる今。
全員が納得できる結果を出すことはなかなか難しいと正直思います。
それでもこういった賞レースから次世代のスターが発掘されている事も事実。
次回大会でも、この2組をはじめとするベテラン漫才師のさらなる進化と、新たな笑いの形が楽しみです。